ガソリン価格の高騰が止まりません。実質価格が最高値を更新しました。

1リットルあたり170円超に…止まらない“ガソリン価格高騰”に悲鳴の声

 大阪府堺市にあるガソリンスタンド「冨尾石油(中環堺SS)」。この店舗では6月に入りすでに9円も値上がりしているといいます。
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 (冨尾石油(中環堺SS) 菊池翔太店長 6月16日)
 「おとといまでは165円だったのが、現在は170円まで上がっておりまして。今までは(一度に)5円上がるということはありませんでした。やはりお客さまも1円でも安いところを探されますので来店が少なくなってしまいます。(Q小売り価格が上がってもガソリンスタンドの儲けにはならない?)そうですね。原油自体が上がっていますので、小売り価格が上がったからといってスタンドの儲けが増えるということではないです」
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 6月6日、レギュラーガソリンの全国平均価格が8週間ぶりに値上がりし、1リットルあたり169円80銭に。6月15日にはさらに1円40銭値上がりが発表され、1リットルあたり171円20銭(6月13日時点)と、170円の大台を突破しました。

 しかし、これでも政府による補助金の効果で価格が抑えられているためで、実際の価格は高騰が止まらない状態です。ただ今後も更なる値上げの可能性もあります。

 (ガソリンスタンドの利用者)
 「(車で)遠出するとなったら控えめになるのかなと。(Qガソリン代を抑えるために工夫していることは?)普段よりもアクセルを踏み込まない。発進もゆっくりにはなりますね。ガソリンの無駄遣いはしないように」
 「ちょっと異常やね。僕らは雇われの身やけど、会社としては燃料・物流コストを考えたら今しんどいと思いますね。(Qガソリン代を抑えるために工夫していることは?)それはやっていますよ。高速道路でも燃費を良くしようと思って時速80kmの走行を時速75kmにしてみたり。食肉の品物を積んでいるからエンジンを切るわけにはいかないんでね」
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 原油価格上昇の影響はこんな場所でも…。京都・八幡市にある「上杉農園」では毎年1月下旬~5月まで「イチゴ狩り」を実施。重油で沸かしたお湯を循環させてイチゴの苗を温めていましたが、寒い時期は1日中重油が必要だったといいます。
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 (上杉農園 上杉篤さん)
 「(Qかなり燃料代がかかったのでは?)そうですね。今年は燃料の高騰で去年の倍近くの値段になっていましたね。ちょっと温度を低めに設定して重油のコストを下げてやっていましたね」

 かかった燃料代は1か月に60万円以上。節約をしていなければ100万円はかかったのではないかと上杉さんは考えています。
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 イチゴ狩りが終わった今、ビニールハウス内ではパプリカやトマトを栽培しています。今は暖かいため燃料費はかかりませんが…。

 (上杉農園 上杉篤さん)
 「重油以外にも、パプリカの包装資材も1枚数円なんですけれども値上がりしているので、出荷個数に対して数円というのは結構出費になっています。(Qコスト分を価格に上乗せすることは?)値段を上げて売れなくなってしまうのは困る部分もあるので、あまり値段は上げずに頑張れるところは頑張りたいと思っています」

 野菜を包む袋だけでなく、市場へ出す輸送費や海外から入ってくる肥料も価格が軒並み上がり、農家は悲鳴を上げています。

 (上杉農園 上杉篤さん)
 「一番は今までの値段に戻ってほしいというのがありますね。それができないのであれば野菜の販売価格を上げてほしいなというのが率直な意見ですね。結局農家さんの所得自体も減ってくると思うので、生産者・農家さんの数が減ってくるのではないかと思いますね。(Q消費者にできることは?)野菜をいっぱい食べてほしいです」

 生活に直結する原油価格の高騰。今後どうなっていくのでしょうか。