3年前に大阪市内の小学校に通う児童が非常勤職員から暴行を受けたことについて、学校側の保護者への説明が二点三転していることがわかりました。
非常勤職員が児童へ暴行…報告書には『児童が机の脚を足で蹴るという態度を取った』
(大阪市教委の担当者 5月19日)
「不適切な対応があったことにつきまして、まずもってお詫び申し上げます」
大阪の市立小学校で6年生の児童に対して2020年10月ごろから約1年半、保護者への同意を得ずに別室で個別指導を行っていたことが、今年5月に発覚しました。さらに3年前の2019年10月に、職員室で非常勤職員(60代)がこの児童の腕を掴み5分間馬乗りになる暴行を加えたこともわかっています。
MBSが入手した、当時学校から市教委に提出された報告書には、次のように書かれていました。
【学校から市教委に提出された報告書】
「興奮した様子であり、その後、机の脚を足で蹴るという態度を取った。机の脚を蹴るのをやめるように指導したにもかかわらず、児童は止めなかったため、その行動を止めさせるために児童の腕を掴んだ」
当時の校長は、他の児童とのトラブルの聞き取りの際に児童が暴れたため、それを制止するために行った、と説明していました。
しかし、被害児童の保護者は、児童本人の説明では「暴れていなかった」と話します。
(被害児童の保護者)
「(職員室で教頭と対面で話していたら)突然入ってきた教師が『お前が(ほかの児童に)暴行を加えたんやろ。正直に言え』と。そのまま椅子に座って教頭と話す息子を押し倒して、その後、胸の前で手をクロスさせて手首を握る感じですね。事実と違う内容をあげられていることは、やはり親として納得がいかないです」
校長『児童が暴れた事実はない』…一方で教頭は『机とかは蹴っているんです』
事実を確認するため、5月27日に保護者が校長にかけた電話で、校長は「市教委の発表は事実とは異なる」と話しました。
(校長)
「教頭も聞いてびっくりしていた。『一切そんなこと言ってない』と。いきなり(職員が)『お前がやったんやろ』と言って(教頭が)止めたということしか言ってない。同じことしか僕ら学校は教育委員会には報告していないです」
校長は「児童が暴れた事実はない」として市教委に改めて連絡すると話しました。
しかし後日、保護者が改めて学校に電話すると、教頭が対応した上で、次のように話しました。
(教頭)「(児童は)腹が立ったんで机とかは蹴っているんです。机の脚ね。でも私はそれは暴力行為だとは思っていないし」
(保護者)「また話変わってますやん。あの時は『いきなり入ってきて倒して』って言ったでしょう」
教頭は校長とは異なる見解を示しました。
(被害児童の保護者)
「なぜ当初言っていたことと、いま現在と話が変わるんですかと。そんなことばかりで全く納得がいかないですね」
この件について6月13日、学校側はMBSの取材に対して、「市教委に問い合わせてほしい」と回答。大阪市教委は「報告書と異なる内容を保護者に報告していることは把握していない」とした上で、現在立ち上がっている弁護士などで構成される第三者チームの調査で真相究明を行いたいとしています。