岸田文雄総理は、6月10日からの“外国人観光客受け入れ再開”を表明しました。そんな中、観光客の受け入れ再開に先立って各地で5月24日から行われているのが、訪日観光実証事業です。関西では5月27日、和歌山県にシンガポールから4人の観光客がやってきました。その様子を取材すると、受け入れ再開に向けた新たな旅の姿が見えました。
『実証事業』で和歌山を訪れた外国人観光客たち
5月27日午後1時ごろ、和歌山県白浜町の南紀白浜空港に到着した飛行機。拍手で迎えられたのはシンガポールからの外国人観光客4人です。
政府は5月24日から、外国人観光客の受け入れ再開に向けた実証事業として、少人数の訪日ツアーを開始。27日に和歌山にもやってきたのです。
(実証事業に参加するシンガポールからの観光客)
「空から見た景色はすごく感動しました。旅を始める前から日本に魅了されています」
4人はシンガポールの観光業界の関係者で、日本のコロナ対策などをチェックしながら、4日間かけて県内の観光名所を巡ります。
同行する添乗員は観光地の感染対策を事前に確認
効果的な感染対策などを検証し、ガイドラインを作ることを目的としているこの実証事業。
同行する添乗員は観光地の感染対策についても事前に確認するなど気を配っているといいます。
(添乗員)
「行く先々のホテルや観光地で、ちゃんと感染対策がとられているかどうかも実証実験の中に入っていますので、それをチェックしております。ちょっと今までとは違う特別な仕事が多いかなと感じています」
白浜町の観光地・円月島や千畳敷などを巡った外国人観光客は次のように話しました。
(実証事業に参加するシンガポールからの観光客)
「自然でとても幸せでリラックスしています。日本はこういう状況だけど、日本はちゃんと守ってくれているし安全で安心しています」
ホテル関係者も期待「1日もはやくお迎えしたい」
和歌山県では、コロナ前の2019年には約50万人訪れた外国人宿泊者が、去年は約5500人にまで激減。打撃を受けているホテル関係者は訪日観光の解禁に向けた動きに期待を寄せています。
(白浜館 古川営業本部長)
「2020年、2021年と白浜全体が大変苦労してきました。インバウンドは我々にとって大切なお客さまです。1日も早く開放されてお迎えさせていただきたいと思っています」
待ちに待った外国人観光客の受け入れ再開。観光地にとって長いトンネルの出口がようやく見え始めたようです。