京都市伏見区で10年前から問題となっている“狭すぎる歩道”。その原因は交通安全のための「歩道橋」にあります。
通行可能幅はわずか約60cm…非常に危険な『狭すぎる歩道』
京都市伏見区深草飯食町。その幹線道路沿いに問題の歩道はあります。
(記者リポート)
「こちら道の真ん中に歩道橋が設置されているんですけれども、道幅がかなり狭くなっています」
歩道橋の反対側も…。
(記者リポート)
「すごい狭い。もう本当に両手が広げられないくらいですね。人一人がようやく通れるような感じですね」
取材班が通行人の様子を伺ってみると…。
(記者リポート)
「一度道を譲ってから、通りますね。やはり一台しか通れないから、みなさん譲り合いをしていますね」
本来、ここは歩道のため自転車に乗って通行はできません。ただ多くの人が自転車で通っていきます。すれ違いができないため、脇に避けるなどして交互に通っています。
対面から来た人に気付いて反対側に方向転換する人もいました。
(通行人)
「怖いですね。(向かいから)来ているのかどうか見えにくかったり」
「細くてぶつかりやすいです。結構ビューンと来たりするから。阿吽の呼吸で譲り合いか、ビューンときたら『あ、はい』という感じで避けるか」
(記者リポート)
「ちょっと道幅を測ってみたいと思います。60cmですね」
こちらの歩道、本来は3mあります。しかし、歩道橋があるため通行できるのは両側約60cmずつの狭いスペースだけです。
住民らは10年前から改善要望
子どもの通行も多いこの歩道。この地区で交通安全活動に関わる深草学区交通安全推進委員会の酒井彦三会長は『非常に危険な状態だ』と言います。
(深草学区交通安全推進委員会 酒井彦三会長)
「学生などがガーっと(自転車で)突っ込んできよるわ。それでよくトラブルになったりね。ガーンと当たったりね」
特に危険だというのが“階段の裏側”です。
(深草学区交通安全推進委員会 酒井彦三会長)
「まず(向こうが)見えないでしょ、全然見えないもんな。こう行ったら自転車が来てガーっとなったり」
視界が階段で遮られるため、対面から来ている人が非常に見えにくくなっています。
歩道橋を使う側も注意が必要です。実際に取材班が階段を下りてみると…
(記者リポート)
「死角のせいで全然気がつかなかったです」
目隠しパネルがあるため、歩道を通る人は階段を下りてくる人に気付きにくいのです。
原因となっている「深草横断歩道橋」は約50年前に設置され、幹線道路を安全に渡る手段として利用されてきました。
しかし、逆に歩道が危険になり、住民らは10年前から改善を求める要望書を市などに提出。今年2月、ようやく京都市議会で今年度中に歩道橋を撤去し、別の場所に横断歩道や信号機を設置する見通しが立ちました。
(深草学区交通安全推進委員会 酒井彦三会長)
「やっとできるんかという感じですね。うれしいのはうれしい。みなさんが便利になるさかいにね」
“狭すぎる歩道”。もうしばらく辛抱が続きます。