街中に『生きてます2021.06.21』などと書かれた謎の落書き。誰かのSOSのようにも見えますが、MBSの調べでは、同じようなメッセージが京都市内の堀川通り周辺で28か所以上見つかっています。一体誰が何のために書いたのでしょうか。
京都市上京区にある堀川商店街。異変に気付いたのは堀川商店街協同組合の理事長・乾雅智さんです。
アーケードの柱に書かれた「生きてます」という文字。その下には日付とみられる数字が書かれています。
(乾雅智理事長)「これですね。これは2021年4月15日ですから、去年の4月ですよね」
他にも…。
(乾雅智理事長)「そこにもありますね電柱にも」
(記者)「本当ですね、電柱にも『生きてます2022.01.29』」
中には直接書くのではなく、シールのようなものに書いて貼ってあるように見えるものもあります。
(乾雅智理事長)「ちょっと他とは違うなというものも。これ剥がれると思うんですよ。貼ったのか、貼ってあるものに書いたのか」
乾さんが最初に「生きてます」という落書きを見つけたのは約1年前だったといいます。堀川商店街では10か所で見つかっていますが、目的がわからないため消すに消せないと言います。
(堀川商店街協同組合 乾雅智理事長)
「最初に見た時は『なんか馬鹿なことを書いているな』というのが本音です正直。ただ、それがちょっと増えてきている。誰が誰に宛てているメッセージなのかなとか。SNSなどでの拡散を目的にしているのか、今の世の中、困った人が本当に書いている可能性もあるし」
商店主たちにも困惑が広がっています。
(商店主)
「ちょっとなんか意味深じゃないですか『生きてます』というのは。落書きにしてはちょっとね…という感じはしますけど」
「心配です。気になります」
「迷惑はかかっていないけど気持ち悪いですよね」
助けを求めるメッセージなのか、はたまた単なるいたずらなのか?取材を進めると、落書きは商店街以外にも広がっていました。
(記者)
「コチラにも『生きてます2022.01.28』、これは書かれているのは京都市と警察署の駐停車禁止の看板ですね」
さらに…。
(記者)
「ありましたタバコの自動販売機の所に。『生きてます2021.05.21』と」
他にも駐車場の看板に『生きてます2021.10.05』、住宅の室外機に『生きてます2021.06.22』などと私有地の中や個人の所有物にもお構いなしに書かれています。
取材班が独自にこの「生きてます」の落書きを探したところ、堀川商店街やその周辺の住宅街の少なくとも28か所で確認できました。いずれも日付はバラバラですが、去年2月~今年3月までの日付が書かれていました。
さらに文字の字体に着目してみました。
(記者)
「街灯のブレーカーの電源ボックスに書かれていますね。『生きてます』の『生』の漢字の部分がちょっと違うように見えますね」
別の場所の落書きと見比べてみると、「生きる」という漢字の横線の書き方や、ひらがなの「き」の文字など、筆跡が異なっているように見えます。複数の人物によって書かれたものなのか。
深まる謎に商店街の乾理事長はこのように話しました。
(堀川商店街協同組合 乾雅智理事長)
「困惑でしかないですよ。増えてほしくはないです。もう十分でしょうと」
警察もこの落書きについては把握していて警戒を強めています。