3年ぶりに「緊急事態宣言」などの規制がなかった今年のゴールデンウィーク。第4波の真っ只中だった去年のゴールデンウィーク期間中は、『コロナ発熱外来』を多くの患者が受診していました。今年はどのような状況なのか取材しました。
GW期間中も地域医療を支える小畠クリニック
大阪・東心斎橋にある「小畠クリニック」。まだ社会の新型コロナウイルスへの恐怖心が根強かったころからコロナ診療を担うことを公表し、地域医療を支えています。コロナ禍では3回目となる今年のゴールデンウィーク期間中も発熱外来を開設しました。
連休中のクリニックはどういった状況なのか、5月6日、小畠昭重院長に話を聞きました。
(小畠クリニック 小畠昭重院長)
「一番問い合わせが多かったのは5月5日やね。遊び疲れで熱が出た人が多かったんかな。圧倒的に若い人ばっかりやね、ゴールデンウィークは」
去年はひっきりなしに電話がかかる 今年の様子は…
1年前のゴールデンウィークは新型コロナ第4波の真っ只中で、発熱外来にはひっきりなしに電話がかかっていました。
(電話対応をする小畠昭重院長 去年のGW)
「いつからですか?きのうの夜から?午後4時で予約を入れておきますので」
この電話は「子どもが熱を出した」という内容のものでした。
去年のゴールデンウィークの時期、発熱外来に来る患者の4割は陽性患者でした。
【抗原検査時の様子 去年のGW】
(小畠院長)「赤い線が出てきたらコロナ陽性です。…出てるわ、どこでうつったんやろう」
ようやくコロナ禍の出口が見え始めたかにも思える今年ですが、状況はあまり変わっていないようです。
【抗原検査時の様子 今年のGW】
(患者)「4日の朝に起きたら朦朧とする感じで。頭痛と息苦しさと、起き上がることが難しいぐらいになっちゃって。その時には38℃、39℃くらいになっていましたね」
(小畠院長)「ちょっと鼻から取るよ。陽性やな、(赤い線が)出てきたな。5月13日まで自宅療養してください」
熱などの症状がないものの、陽性でないか不安な人も外来に訪れます。
【診察の様子 今年のGW】
(スタッフ)「症状はまったくなしで、1日と2日に一緒に過ごした方が陽性になり濃厚接触者で、いまはまったく症状なしです」
(小畠院長)「ほんなら、症状はまったくないけど、友だちが陽性で心配ということやな」
(患者)「そうです」
PCR検査の結果、この患者は陰性でした。
「今年のほうが圧倒的に診察依頼の数が多かった」
コロナ医療の最前線を支え続けてきた小畠院長に、去年と今年の変化をたずねました。
(小畠クリニック 小畠昭重院長)
「(Q去年のゴールデンウィークと比べて今年の発熱外来の状況は?)今年のほうが圧倒的に数が多かった、『診てくれ』という。キャンセル待ちも多く、5月5日は20人ぐらい断らざるを得ないぐらい来ました」
たしかに、去年と今年のゴールデンウィークの大阪府の新規感染者数を比較しても、今年のほうが多いのが実情です。患者の陽性率も去年が4割ほどに対し、今年は3割程度で、大きくは減っていないといいます。
さらに大型連休ならではの患者もいるといいます。
(小畠クリニック 小畠昭重院長)
「『旅行中に熱が出たからどうしましょう?』と相談に来た人とか。(旅先で陽性判定が出て)どこも泊まるところがないから、『宿泊療養にすぐに申し込んで』と指示した」
街の小さなクリニック。気の抜けない日々がまだまだ続きそうです。