「緊急事態宣言」も「まん延防止等重点措置」も出されていないゴールデンウィークは3年ぶりです。2年前は壊滅状態だったという神戸市の『有馬温泉』。今年は老舗旅館に賑わいは戻ったのでしょうか?
制限が出されていない今年のGW…賑わい戻る『有馬温泉』
2年前のゴールデンウィーク。関西有数の温泉地『有馬温泉』。初めての緊急事態宣言で、すべての旅館が休業要請に応じました。
足湯の湯船は空っぽになり、人の姿は消えました。
あれから2年。5月3日の有馬温泉は、3年ぶりに行動制限のないゴールデンウィークに賑わいを取り戻していました。
(観光客)
「楽しいね。規制がないから」
「去年とかゴールデンウィークは引きこもっていたので楽しい」
足湯には利用者同士が密にならないよう促す張り紙が貼られ、距離を保ちながら足湯を楽しむ人たちの姿がありました。
(観光客)
「夫婦です。(Qご主人は入らない?)入れ替わりで入ろうかなと思って」
「(Qソーシャルディスタンスですか?)書いてあるので、入っちゃいけないのかなと。交代で」
老舗旅館 今年のGWはほとんどが予約埋まるも『コロナ前』の状態とは言えない
活気を取り戻した有馬温泉。老舗旅館『陶泉御所坊』の15代目主人・金井啓修さんは、今年のゴールデンウィーク期間はほとんど予約が埋まっているが、まだコロナ前に戻ったとはいえないと話します。
(陶泉御所坊・主人 金井啓修さん)
「(人通りは)コロナ前の普通の土日くらいですよ。完璧に満室というのはないと思うんですけど、ほぼ95%以上満室だと思っています。(例年のGWは)満室でお断りするお客さんがいっぱいいたけど、今年はお断りするお客さんが非常に少ないということですね」
感染を広げまいと、この旅館ではフロントにアクリル板を設置したり、スリッパを殺菌する機械を導入したりするなど感染対策を徹底しています。
また、宿泊客に安心してもらおうと客室にも新たな工夫が…
(陶泉御所坊・主人 金井啓修さん)
「昔はこの部屋の鍵は実はここだったんですよ。いまは鍵を取ってしまって穴になっている。(いまは)こういう電子キーができたので、これを導入しています。これならシュシュっとお客さんが来る前に消毒して拭いておけば良いだけで」
感染リスクを減らそうと、鍵の受け渡しをやめて電子ロックを導入しました。ただ、客とのコミュニケーションが減り、接客のプロとしては少し寂しい面もあるようです。
(陶泉御所坊・主人 金井啓修さん)
「(コロナ禍の)変化に向けて改革することをしなければいけないと思って進めています。1日も早くマスクを取って自由に世界中を往来できるような世界が来ることを望んでいます」
さまざまな感染防止対策に観光客は次のように話します。
(観光客)
「人との間隔がとれていると安心感がありますよね」
「(感染対策を)どこもしっかりやられているなというのはあるので。安心して泊まれますよね」
観光客が戻りつつある有馬温泉もコロナとの闘いはまだ続いています。