「下着の色の指定」や「髪の毛は一律に黒染め」といった学校の規則が“ブラック校則”などと呼ばれ全国で話題となる中、兵庫県姫路市にある市立高丘中学校では、生徒たちが主体となって校則を見直そうという動きがありました。

 姫路市立高丘中学校では、今年の新学期から、髪型などに関する校則が変わりました。

 (3年生)
 「(Q何が変わった?)まずツーブロックの髪型がOKになった。(Qもしかしてこの髪型も?)ツーブロックにしています。(Qいままでやりたかった?)やりたかったです。解放されたような感覚です」
 (2年生)
 「(Q何が変わった?)髪の毛をくくる高さ。耳より下でないとダメだったのが上でくくっても良くなった」
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 新しい校則では、これまで禁止だった髪の長さに段差をつける「ツーブロック」や髪をくくる位置が自由になりました。靴下はくるぶしが隠れる長さの白色のみでしたが、新学期から長さは自由、グレー・紺・黒も履いてよいことになりました。

 (生徒会長の3年生)
 「(Qどうして校則を変えようと思った?)生徒会長になろうと思った時点で、何をしようと思った時に、今までみんなが困っている校則があったから校則を変えちゃおうじゃないかと思いました」

 「校則を自分たちの手で見直したい」。見直し作業は去年9月、生徒会が中心となって始まりました。まず全校生徒約500人にアンケートをとり、変えたい校則を聞きました。その結果で一番変えてほしいという意見が多かったのが『髪型』でした。

 (生徒会役員の3年生)
 「自分がしたい髪型ができて、学校に来るのが楽しくなったり、気分が変わるからいいなと」
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 学校生活でふさわしいと思う校則について話し合う中で、ツーブロックについても基準を作り、ラインを入れることや、片方だけを刈り込むことは禁止にしました。その一方で、どこまでを許容範囲とするか、線引きが難しいこともわかりました。
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 (生徒会役員の2年生)
 「髪の毛が長い子は下ろしてもいいかという話になった時に意見がわかれて、(見直し)賛成派の人は授業中に邪魔にならないならいいんじゃないかと」

 生徒の自主性や意見を尊重しながら校則の見直しを進めたことについて、生徒指導担当の先生は次のように話します。

 (生徒指導担当 梅木孝太教諭)
 「先生たちの中でも議論しました。ただやはり子どもたちが過ごしやすい学校にするためにはどうすればよいかということを全職員で考えていけば、生徒会の子たちが考えたこととそんなに相違はなかったかなと。個人的には校則に『こうじゃないとダメだ』という正解はないと思うので、本当に子どもたちが通いたいと思う学校をつくることが一番かなと」

 そして迎えた新学期。新しい学校生活がスタートしましたが、校則の見直しは始まったばかりです。

 (生徒会長の3年生)
 「今決まった校則でも、また新しい悩みが出てくると思うんですよ。そういうのをこれからも(話し合いを)重ねていって、常に学校生活をみんなが楽しめるように考えていくべきだと思っています」