1970年の大阪万博の跡地「万博記念公園」には約5000本の桜が植えられています。そして、2025年の大阪・関西万博に向けては、府内の公園などに2025本の桜を植えるプロジェクトが進められています。しかし、このプロジェクトのポイントである「寄付」はまだ目標の15%だということです。万博の開幕に間に合うのでしょうか。
春爛漫の万博記念公園(大阪・吹田市)。関西屈指の桜の名所として知られ、まん延防止等重点措置が解除されたこともあってか、3月30日には大勢の人の姿が見られました。
「2人で有休を合わせて花見に。思った以上に満開だったので、来てよかったなと思いました」
半世紀前の万博の跡地で人々を魅了する桜。そもそもあの万博のシンボルマーク自体が桜でした。3年後の大阪・関西万博でも桜をシンボルにしたい思惑があるようです。
(大阪市 松井一郎市長 2020年10月)
「この桜の花びらが印象にあって、今回(2025年)の万博のマークは『目のようだ』とか『大腸みたいだ』とか言われましたけど、目のように見えるところは桜のイメージで」
2020年の春に「万博の桜2025」というプロジェクトがスタート。万博への“エール”、そして万博終了後の“レガシー”として、府内の公園などに2025本の桜を植えようというものです。325本は民間企業に植樹してもらい、残りの1700本は府民らから集まった寄付を元手に府内の公園などに植樹します。寄付は1口1万円で、寄付した人のネームプレートを付けるというのですが…。
(万博の桜2025実行委員会 三谷彰一さん)
「(新型コロナの影響で)寄付集めが苦戦しているという状況なんです」
1本の植樹に15万円ほどかかるため2億5500万円の寄付が必要ですが、現状、集まったのは目標の15%の3700万円あまりです。植樹された桜は250本ほどに留まっていて、寄付の期限も再延長され、来年3月末までとなりました。
鶴見緑地(大阪・鶴見区)には100本の桜が植えられる予定だったのですが、まだ40本ほどしか植えられていないというのです。訪れていた人たちに話を聞きました。
「(Q1口1万円はどう?)まぁまぁ高い。300円くらいから…」
「でも『私が1万円寄付して植えられた桜やで』と子どもたちに言えるんやったらいいのかも」
「ちょっと高いね、年金暮らしには」
実行委員会は万博後も末永く残る点をアピールしていく構えです。
(万博の桜2025実行委員会 三谷彰一さん)
「万博が終わった後もずっと残りますし、桜の寿命は100年、200年と言われていますから、大変なレガシーになると思います。植樹の候補地は確保できていますので、あとは寄付金次第ですね。寄付金が集まればどんどん加速していきたいと思っています」
見通しが甘かったようにも思えるプロジェクト。“満開”はまだ遠そうです。