2016年、外国人観光客が急増して関西はインバウンドで大にぎわいになりました。そんな中、和歌山県は「高級ホテルや旅館開設促進のための奨励金制度」を設けて、高級宿泊施設の誘致を進めました。あれから6年が経ち、ついに1例目となる高級旅館「南紀白浜 和みの湯 花鳥風月」が白浜町にオープンしました。一体どのような雰囲気になっているのか。旅館の松前和紀支配人にオンラインでその全貌を案内していただきました。
和歌山県白浜町に3月1日にオープンした「南紀白浜 和みの湯 花鳥風月」。
館内には、地元紀州の木材がふんだんに使われ、落ち着いた雰囲気が漂っています。
(南紀白浜 和みの湯 花鳥風月 松前和紀支配人)
「いらっしゃませ。『南紀白浜和みの湯花鳥風月』の支配人をさせていただいております、松前と申します。本日はよろしくお願いいたします」
(大吉アナウンサー)
「よろしくお願いします。玄関もとてもきれいで雰囲気のあるお宿ですね」
和歌山県は「和歌山県宿泊施設開設促進奨励金制度」として、最大3億円の奨励金を用意し、高級宿泊施設の誘致を進めました。その対象第1号となったのが「南紀白浜 和みの湯 花鳥風月」です。
(松前支配人)「奥に進んでいただくこと、こちらがラウンジになります。旅館に来たお客さまに、ちょっと驚きを与えるかたちを考えております」
(大吉アナ)「ガラリと雰囲気が変わりますね。洋風な感じがします」
ラウンジには飲み物やお菓子が用意されていて、ゆっくりくつろぐことができます。
(松前支配人)「こちらからデッキ部分に出ることが可能になっております」
(大吉アナ)「うわ!広いデッキ。眺めがいいですね」
(松前支配人)「いま見えているのは田辺湾になります。海の色が季節折々変わってきますので、それもまた楽しみのひとつかと思います。あと空がとてもきれいなので、夜は星が降ってくるぐらい観測できます」
50平方メートル以上の大きな部屋でゆったり
2階建ての建物に全部で24ある客室。プライベートを充実して過ごせるよう工夫されているそうです。
(松前支配人)「2階の7号室で部屋の名前は『月』となっていて、セミスイートのお部屋になっております」
(大吉アナ)「自然の光がたくさん入ってくるお部屋。まさに和モダンですね。畳の感じもいいですね」
(松前支配人)「こちらで49.4平方メートル、約50平方メートルになります」
(大吉アナ)「だいぶスペースがありますね。いい景色。画面からでもしっかり伝わってきます。この開放的な景色が」
県の奨励金を受けとれる条件の1つが、「ひと部屋あたりの広さが40平方メートル以上」です。こちらの旅館には、条件に合う広い部屋が5室作られました。
全部屋に『半露天風呂』体の芯までポカポカになる「炭酸水素塩泉」
(松前支配人)「お風呂のほうにご案内させていただきます。こういう形で『全室半露天風呂』をしつらえてございます」
(大吉アナ)「え?これ全室についているんですか?支配人めちゃくちゃ贅沢じゃないですか」
旅館にはあえて大浴場を設けず、それぞれの部屋に「岩風呂」や「桶風呂」など、それぞれ違う形の半露天風呂を備えています。
(大吉アナ)「これは温泉ですか?」
(松前支配人)「白浜には何本か源泉がございまして、『藤乃湯』という源泉を毎日運んで来ていただいております」
(大吉アナ)「うわー、温泉なんだ。泉質はなんですか?」
(松前支配人)「『炭酸水素塩泉』になっております」
(大吉アナ)「『炭酸水素塩泉』というのは、皮膚を石鹸のように洗浄してくれる働きが期待できる泉質で。塩の成分が入っているので、湯上りも塩の膜が体を包んで湯冷めしにくい温泉と言われているんですよね。入りたいなー」
新鮮な「あわび」に「熊野牛」地元食材活かした色とりどりの料理
さらに、高級旅館の楽しみはお料理です。地元食材を活かした色とりどりの会席料理が並びます。
お造りは、料理長自ら朝市で仕入れる地魚の盛り合わせ。
焼き物の「磯のあわびの踊り焼」は、新鮮なあわびが磯の香りを運びます。
今回はその味を、地元出身でフロント係の田中結実さんが教えてくれました。実は、安定した雇用創出も奨励金の条件です。
(大吉アナ)「本当に立派なあわびですね。肉厚で大きいですね」
(田中さん)「そうですね、すごく肉厚です」
(大吉アナ)「それくらいの力の入れ方でスッと切れていくんですか?」
(田中さん)「はい、切れますね。では、いただきます」
(大吉アナ)「やっぱりやわらかいですか?」
(田中さん)「やわらかくて塩味が利いていておいしいです」
(大吉アナ)「ですよね。うらやましい」
続いてメイン。鍋ものの「熊野牛の厚切りしゃぶしゃぶ」です。
(大吉アナ)「わかってますよ、おいしいですよね」
(田中さん)「とてもおいしかったので、仕事頑張れます」
約50平方メートルの客室・セミスイート「月」は、1泊2食付きでひとり3万3500円~(税込み)。
この「ひとり1泊3万円以上」という価格設定も、県の奨励金が出る条件になっていました。
支配人「発展、地域に貢献できるように」
白浜で新たなチャレンジに挑む松前支配人は、「アフターコロナを見据えて観光を盛り上げていきたい」考えです。
(南紀白浜 和みの湯 花鳥風月 松前和紀支配人)
「白浜に関しましては、新築の旅館というのはもう10年ぶりくらいになるそうです。我々も白浜温泉の一員として迎えていただきましたので、発展に貢献できるように、地域に貢献したいと思っております」