人生100年時代。年齢に関係なく生き生きと活躍されている人々に注目します。今回は「ヒョウ柄の専門店」の店長で70歳の高橋真由美さんです。いまや1万点以上のアニマル柄を集めたという高橋さん。人生のコダワリをMBSの大吉洋平アナウンサーが取材しました。

マスクやスパッツまで!ヒョウ柄をまとった店長

大阪市浪速区の通天閣の近くにある新世界市場。その中にある『ヒョウ柄の専門店』の「なにわ小町」を大吉アナウンサーが訪ねました。立ち止まって思わず二度見してしまう店構えです。

(大吉洋平アナウンサーリポート)
「ヒョウ、トラ、いろんなアニマルプリントの商品が目に入ってきますね」
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大きなトラの顔がプリントされたTシャツを着た女性が店の中から出てきました。店長の高橋真由美さん、70歳です。

(高橋さん)「立派でしょ!」
(大吉アナ)「帽子は何柄ですか?」
(高橋さん)「これはヒョウです。マスクもヒョウ」
(大吉アナ)「中に着ている長袖は?」
(高橋さん)「ヒョウです」
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(大吉アナ)「あっ、スパッツまでヒョウ。そしてTシャツは?」
(高橋さん)「トラですね」
(大吉アナ)「とてつもない迫力ですよ」
(高橋さん)「ガオー!ですね」

4頭のヒョウと1頭のトラを身にまとった高橋さん。アニマル柄ばかり揃えたお店は60歳のときにオープンしました。
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一見、どの柄も同じように見えますが…。

(なにわ小町 高橋真由美さん)
「ヒョウもあればジャガーもあるんです。柄が違うんです。ジャガーの柄というのは、斑点が(黒い円の)中にある」

黒い円の中に黒い斑点があるのがジャガーで、黒い斑点がないのがヒョウなんだそうです。
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高橋さんはわざわざ動物園まで足を運んで正確な模様を確認し、柄を完全オリジナルで作ってもらっています。

(高橋さん)「ピューマっていうのもあるんです」
(大吉アナ)「なんか服を買いに来ているというより、動物の勉強をしに来ている感じですね」

店内にはどんな商品が?

また、大吉アナウンサーは店内でキラキラと輝くTシャツを見つけました。

(大吉アナ)「ディスコのミラーボールみたいですね」
(高橋さん)「そうです、歩くミラーボール」
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さらには「水着」までありました。

(なにわ小町 高橋真由美さん)
「私が着たいと思って作っていただいたんですけどね。もうひとつ大きいサイズがあるんです、私用に。カバみたいになってしまうので、一応私は(着るのを)やめているんですけどね」

こつこつ揃えたアニマル柄は1万点以上だということです。

トラとヒョウは大阪の女性と「似ている」

高橋さんがヒョウ柄に興味を持ったのは何歳の時なのでしょうか?

(なにわ小町 高橋真由美さん)
「17、8歳くらいからですね。もう憧れですわ、とにかくヒョウ柄にね。(当時は)ヒョウ柄なんて高くって、海外から入ってきたものだけなんですね、ほとんど。私らその時は2万、3万円ぐらいのお給料で働いていた時代なんでね。必死のパッチでお金を貯めた」
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古くから大阪で愛されてきた“ヒョウ柄ファッション”は、1990年代のコギャルブームをきっかけに2000年代に入って全国展開。ヒョウ柄はファッションのトレンドになりました。
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1998年のニュース番組で紹介された当時のヒョウ柄グッズ人気ランキングでは、第3位は「帽子」。第2位は「服」。幅広い層がヒョウ柄を身にまとっていました。そして第1位は「バッグ」で、ポーチからリュックサック、ハンドバッグと実に多種多彩でした。
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(大吉アナ)「なんで大阪の女性はヒョウ柄やアニマルプリントが好きなんですか?」
(高橋さん)「やっぱりヒョウとかトラとかっていうのは子どもを守るために必死になってエサをあさるところがあって、くわーっと仲間意識がすごいでしょ。とにかく強いね。それでいて優しさ。それでなんとも言えない『任せとけ』っていう、大阪のおばちゃんのそういうところがトラとヒョウに当てはまるんじゃないかな」
(大吉アナ)「トラとヒョウは大阪の女性と似ている?」
(高橋さん)「似ているの」

客は来なくても「ただ好きなことをやりたい」今では全国から『ヒョウ柄好き』が集まる店に

10年前、還暦の年にスタートさせたヒョウ柄の専門店。ところが全く客は来なかったそうです。さぞかし焦ったのではないでしょうか?

(なにわ小町 高橋真由美さん)
「なんにも考えてなかった。ただ好きなことをやりたいと。自分の好きなようにお客さんとカーっと話して、気に入ってもらったらたくさん買ってもらう。もうそれだけで、それだけですわ、ほんまに」

いまは、面白い店だと口コミが広がり、北海道から沖縄まで常連客がいるそうです。

令和を生きる世代へ「目標を持ってほしい」

高橋さんは、令和を生きる世代にこんなメッセージを送ってくれました。

(なにわ小町 高橋真由美さん)
「やっぱり目標を持ってほしいですよね。なんかひとつが崩れてきたら『もうええ』とか、そうじゃなくて、崩れてもひとつのことに一生懸命カーっとやってたらね、お金もお友だちもいろんなものが、人間関係も全部ついてきてくれるような気がするんですよ。あっちいったりこっちいったりという自分の気持ちがうろうろしているようであったら、やっぱり誰もついてこないし、お金も絶対についてこない」
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「思い切ってやることが大事」と話す高橋さん。ということで、大吉アナウンサーも思い切ってヒョウ柄ファッションに挑戦してみました。

(なにわ小町 高橋真由美さん)
「かっこいい、スゴイ!」
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最後に、高橋さんはこのように話します。

(なにわ小町 高橋真由美さん)
「(お客さんの)笑顔を見ていたり、元気な姿を見ていたら幸せ。それが長生きの秘訣かもしれません。いくつになってもヒョウやトラが似合わん人はいないです。みんな似合います。『こんなんうちで着てたら恥ずかしいわ』と言って、最後には激しい“ガオー”を買って帰ります」