プロ野球・阪神タイガースの原口文仁選手(29)は3年前、26歳の時に大腸がんを公表し、その後治療を行いながら復活を遂げました。今も通院しながら現役を続ける原口選手に今年11月下旬、がんサバイバーとしての思いを聞きました。

人間ドックを受け「がん」と診断 手術後は後遺症に苦しむ

原口文仁選手は高校卒業後、ドラフト6位で阪神タイガースに入団。得意のバッティングでレギュラー争いを繰り広げ、チームに欠かせない存在になっていた26歳の冬、大腸がんと診断されました。疲れが取れない日が続き、人間ドックを受けたそうです。
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(阪神タイガース 原口文仁選手)
「大腸の内視鏡検査を先生がしてくださって、内視鏡の機械を出した時に先生に『隣の部屋に来てください』と言われて、『私の所見と経験からがんです』と。(Qそのときの感覚は?)驚いたのが一番。食事面や体調面は、体が資本なので気を付けていたつもりでしたが…」
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手術を受ける直前の2019年1月24日、がんを公表。「この病気になったことは自分の使命」と闘病の思いを綴っていました。
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手術では大腸13cmを切除。翌日から院内を歩き、リハビリを始めますが、後遺症に苦しみます。その1つがトイレです。大腸が短くなって便が早くなり、1日に20回以上もトイレに行くほどでした。

(原口文仁選手)
「今まで食べられたものにアレルギーが出てしまったり、お腹を下してしまったりとか、術後の体の変化をすごく感じました」

劇的な一軍復帰…一方で試合に出場しながら『抗がん剤治療』

そこからわずか4か月後、2019年6月4日に行われた一軍の試合に代打で出場し、タイムリーヒット。大勢のファンと仲間に迎えられて復帰を果たします。復帰5日後の甲子園、この日も代打の切り札としてバッターボックスに立った原口選手は、サヨナラタイムリーを放ち、見事な復活を遂げました。
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(原口文仁選手)
「満員のなかで、敵味方関係なくたくさんの拍手・声援をいただいてすごく僕も感動しましたし、ここから第二の野球人生スタートという気持ち」
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順風満帆な復帰と多くの人が思いましたが、当時、試合に出場しながら抗がん剤治療を受けていたのです。医師から告げられていたステージは「3B」で、初期ではありませんでした。そこから復帰できたことを伝えたらより多くの人の勇気や希望になると知り合いの医師に背中を押され、シーズン終了後に「ステージ3B」と公表しました。

(原口文仁選手)
「僕が病気を克服して乗り越えて頑張っている、タイガースのユニフォームを着ているってすごく大きいと思うんです。(ステージを公表することも)プロ野球選手としての一つの使命ではないかとすごく考えました」
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現役アスリートのサバイバーとして通院を続ける原口さんが今伝えたいことは…。

(原口文仁選手)
「早期発見、早期治療。『おかしいな』という異変を感じたら病院に行ってほしいという気持ちが一番です」
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MBSでは12月11日(土)に第7回キャンサーフォーラムオンラインを開催します。原口文仁選手(29)に加え、乳がんサバイバーでSKE48の元メンバー・矢方美紀さん(29)も登壇します。

公式YouTubeチャンネルでライブ配信しますので是非ご覧ください。
https://www.mbs.jp/joc/forum2021/