大阪・ミナミの道頓堀で12月7日から新たに始まる実証実験。支払いが『顔』でできるというものです。取材班が実際に体験してみました。
手ぶらでOK「顔」で支払う実証実験
新型コロナウイルスの感染者数の減少もあり人出が戻ってきた大阪・ミナミ。そんな中、12月7日~12月26日まで、パナソニックが道頓堀商店街とタッグを組んで、顔認証技術などを活用した実証実験『スマイルスタンプラリー』を行います。
専用サイトで事前に「顔」や「クレジットカード番号」を登録しておくと、対象店舗で会計時にタブレット端末に顔をかざして暗証番号を入力するだけで決済ができるという仕組みです。
実際に顔認証での決済を取材班が体験してみました。
(取材班リポート)
「土産物店の商品を顔認証決済で購入します」
レジに置いてあるタブレットの画面に顔をかざすと、暗証番号を入力する画面が出てきます。それを入力すると決済ができました。
では、顔の半分ほどしか見えないマスク姿でも、ちゃんと認識してもらえるのでしょうか。マスクをした状態で再び顔をかざすと…
(取材班リポート)
「決済できました。マスクを着けてもできるんですね」
精度は高く、マスクを着けた状態でも顔を認証しました。この顔認証決済は、土産物店だけではなく飲食店やクルーズ船など道頓堀の12店舗で利用できます。
たこ焼きも顔認証で購入できました。
(取材班リポート)
「とろとろでおいしいです。しかも手ぶら購入できてすぐに持てるから本当に便利ですね」
システムを開発したパナソニックはコロナ後の需要を見込んでいます。
(パナソニックIR事業推進本部 越智昭彦本部長)
「観光地での入場料の支払いであったり、色々な場面、今後間違いなく増えるであろうインバウンド需要に対して、世界中の皆さまにシステムを知っていただいて活用していただくということを狙いにしています」
大阪・関西万博を見据えた実験
さらに12月7日から道頓堀で体験できるのは顔認証だけではありません。道頓堀が「歩くだけでも楽しいスポット」になる実験も始まります。
(取材班リポート)
「専用サイトで『ARフォト』というボタンを押すと、撮影画面に『だるま』の看板の顔が出てきました」
ミナミといえば立体看板が有名ですが、専用サイト『スマイルスタンプラリー』を使えば、AR(拡張現実)の技術を活用して映える写真が撮影できるのです。このARフォトの撮影ポイントは18か所あります。
「大正時代の道頓堀」もCGで楽しめる
さらに専用サイトには100年前の大正時代の道頓堀をCGで再現した『バーチャル商店街』もあり、今と昔の風景を見比べながら道頓堀を観光することができます。
(取材班リポート)
「当時の人の服装もここには再現されています」
今回の実証実験は4年後の大阪・関西万博を見据えていて、商店街側も期待を寄せています。
(道頓堀商店会 上山勝也会長)
「デジタル化していって『こんなこともできるんや』と。観光客を呼び込むこともできると思うんですよ。日本全体の活性化につながると思います。あえて日本を代表するような道頓堀商店街に導入するのが意義があるし、我々としても誇りに思います」