奈良県の信貴山。そのふもとにバンジージャンプを行える場所があります。バンジージャンプをしてから寺院を参拝できるこの場所に、秋の紅葉を求めて集う人々がいます。

紅葉の名所として知られる寺 その近くにある「バンジージャンプ台」

奈良県の信貴山にある朝護孫子寺。朝6時半、僧侶の祈りが始まります。
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紅葉の名所として知られるこの寺の境内には、1000本ものモミジがあります。

(参拝者)
「(願ったのは)コロナが早くなくなるように。それと、子どもの無事成長、身体健全ですかね」
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参道には『開運橋』という名の赤い橋。そこにあるのがバンジージャンプ台です。
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(バンジージャンプの参加者)
「転職失敗と失恋が同時に起こったので、ここらで運を開いておかなあかんなと思って」
「素敵な出会いがありますように」
「水面遠いなと思った。紅葉シーズンに来てよかった」
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紅葉に包まれて飛ぶ世界。思い悩む秋を乗り越えたいという若者たちの覚悟があります。

“明るくリセットしたい”から飛ぶ

今年11月に教員採用試験に落ちたばかりの23歳の女性は明るくリセットしたいと、着ぐるみのような格好で、友達とやって来ました。けれど、なかなか踏ん切りがつきません。
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(飛ぶ前の女性)
「別に人生変えなくてもいいかもしれない」
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それでも飛べば来年は受かると信じて…飛びました。

(飛んだ後の女性)
「生きててよかった!」
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(朝護孫子寺 玉蔵院 野澤密孝貫主)
「やっぱり人はちょっとしたことで変わりますし、変われますしね。諸行無常って仏教でいいますけど、我々はみんな変わるんですよ、変わらざるを得ないんですよという意味ですから、それならば良い方向に変わりましょう。そのきっかけにお祈りもあれば、バンジーもなればと思います。(Qご自身はバンジージャンプしますか?)私はいいです」
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悩める若者たちを包み込むのは優しいあかいろ。紅葉の色あいも諸行無常。色鮮やかに変わるために、自分を信じて、祈る。祈りを人生のきっかけにしたい、2021年の秋があります。