10月31日に投開票が行われる衆院選。新型コロナウイルスの影響で大打撃を受け、観光客が半減している「有馬温泉」がある神戸市北区などを選挙区に持つ兵庫2区では、公明党の前職・赤羽一嘉さん(63)、立憲民主党の新人・舩川治郎さん(54)、共産党の新人・宮野鶴生さん(64)の3人が立候補しています。観光業の未来はどうなるのか。注目選挙区を独自取材しました。

「もうガラガラ」コロナで大打撃を受けた『有馬温泉』

10月26日に取材班が神戸市の有馬温泉を訪れると、観光客の姿が少しずつ戻ってきていました。しかし、この1年半は「コロナで大打撃を受けた」と地元の土産物店などの人は話します。
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(土産物店)
「全然、別世界みたいに静かな町でした。どうしようもないですけど、もうこの先どうなっちゃうんだろうという感じですよね」
(雑貨屋)
「ここはにぎやか通りで有名なんですけどね。もうガラガラ、本当に。だから大変だったんですわ」
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神戸市によると2020年、有馬温泉に観光で訪れた人は約89万人、2019年は約161万人で、ほぼ半減しています。
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有馬温泉で最も古い温泉旅館「陶泉御所坊」では、コロナ前はインバウンド客が2割近くを占めていて、賑わいが戻るのか不安だと話します。
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(陶泉御所坊 金井啓修さん)
「地域全体での売り上げを考えると、やっぱりインバウンド比率は高いと思いますよ、関西は。10%~15%はインバウンドのお客さんが泊まっていたわけですから」

去年10月から始まった「GoToトラベル」で、一時は予約が取れないほど熱気に包まれたものの、その熱もわずか2か月ほどで冷めたといいます。

(陶泉御所坊 金井啓修さん)
「非常に大きな起爆剤だと思っています。もちろん復活してもらいたいと思いますし、できるだけ早くインバウンドを進めていただきたいと思います」

公明党の前職・赤羽一嘉さん

こうした観光地からの声にどう応えていくのか。有馬温泉も選挙区に持つ「兵庫2区」には、3人が立候補しています。

前国土交通大臣として「GoToトラベル事業」を打ち出した公明党の前職・赤羽一嘉さん(63)。演説会には多くの支援者らが集まり、熱気に包まれていました。

(公明党 赤羽一嘉さん)
「私自身がこの小選挙区兵庫2区で勝ち抜かなければいけない。『コロナの克服』『日本の再生』という大命題を、本当にそのかじを取れるのは、現実的に自公連立政権以外ありえない。皆さまいかがでしょうか」
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落ち込む観光業について、直接聞いてみると赤羽さんは次のように話しています。

(公明党 赤羽一嘉さん)
「来るべきインバウンドを始めるためにですね、それぞれの観光地が努力もされていますし、そうしたことを前向きに捉えたいい準備期間と考えていただけたらなと思います。2030年(訪日外国人客数)6000万人という目標は政府として全く変えておりませんので」

立憲民主党の新人・舩川治郎さん

立憲民主党の新人・舩川治郎さん(54)は、コロナ禍での地道な活動の成果を訴えます。

(立憲民主党 舩川治郎さん)
「『マスクが全然足りない』『なんとかしてほしい』という依頼を受けて、2週間で空気清浄機500台、マスク5万7000枚、消毒液は本当に大量、神戸市の保育施設や福祉施設にご提供させていただきました」
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観光業の今後については次のように話しています。

(立憲民主党 舩川治郎さん)
「GoToキャンペーン自体は様子を見ながら、少し(感染者数が)収まりかけたところで、すでにワクチンを打たれた方などに対して行っていくというのは十分あると思いますので。まずは国内の需要を広げて、そのあと海外という段階かなと思います」

共産党の新人・宮野鶴生さん

そして、共産党の新人・宮野鶴生さん(64)は、医療や介護の現場に携わった経験をアピールします。

(共産党 宮野鶴生さん)
「医療と介護の現場で30年以上働いてまいりました。日本共産党は二度と医療崩壊を招かないために、皆さんの命を守るために全力で頑張ってまいります」
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観光については、世界的に感染者を抑え込むべきだと訴えています。

(共産党 宮野鶴生さん)
「世界的にインバウンドを行うには、やはり完全に(感染を)抑え込む必要があると思います」