少年少女が直面する夏の危険に迫ります。大阪府には新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が出ていますが、夏休みということもあり、夜の大阪・ミナミには多くの未成年の若者たちがいました。そうした中にはどんな危険が潜んでいるのか。MBSの大吉洋平アナウンサーが若者たちのリアルな声を聞きました。
大阪・ミナミの道頓堀の夜
(大吉洋平アナウンサー 8月6日午後8時ごろ)
「午後8時を過ぎました。緊急事態宣言が発表されている大阪・ミナミの道頓堀に来ています。若い人たちを中心にこの時間も街は賑わっています。皆さんいったいどういう理由で街を行き交っているのでしょうか」
8月2日(月)から大阪府では4回目の緊急事態宣言が出ていますが、8月6日(金)の夜、ミナミの街には多くの若者が集まっていました。
「胸ぐらを掴まれる事件」
(大吉アナ)「いま何歳ですか?」
(4人組)「今17歳です。みんな17歳、16歳です」
(大吉アナ)「夜遅くに外に出ていて保護者は心配しないですか?」
(4人組)「いやー毎日ほんまに心配されますね。電話が鳴りやまないですね。電話とかLINEで、うるせーだまれって。反抗期ってゆうか、そういう口調で」
(大吉アナ)「夏休みってゆうのもあるのかな?若い人が多く外に出てるのは?」
(4人組)「そうですね。コロナでも関係なく人集まるんで。マスクしていない人もいますね」
(大吉アナ)「危ない目にあったこととか、危険なシーンを見たこととかってありますか?」
(4人組)「ありますね。危ない人に胸ぐらを何度か掴まれるってゆう事件があります。邪魔やったんですかね。何度か掴まれて、落とされて、掴まれてっていう」
「ほぼ強制で飲まされてホテルに連れ込まれそうに」
戎橋にいた少女2人組。
(大吉アナ)「こんばんは。今お2人は何歳ですか?」
(2人組)「17です。中3です。」
(大吉アナ)「今、夜8時過ぎたけど、お父さんお母さん保護者の方は心配してない?」
(2人組)「してないです。大丈夫です」
(大吉アナ)「危険な目にあったことはないですか?」
(2人組)「あるな。めっちゃお酒飲まされて。飲めみたいな、ほぼ強制で飲まされて。それでホテルに連れ込まれそうになりました。めっちゃ声かけられて“すみませんしゃべりませんか?”みたいな。しゃべるくらいならいいですよって。缶で渡されたんですよ飲み物を。それで飲め飲め飲めみたいな」
(大吉アナ)「それで酔っぱらって、ホテルに連れて行かれそうになった?」
(2人組)「なりました」
(大吉アナ)「その時は気持ちとしてはどんな気持ち?」
(2人組)「めっちゃこわかったです」
「見ていたんですよ。やば…だけですね」
別の少女2人組も。
(大吉アナ)「今2人は何歳かな?」
(2人組)「17歳、15歳です。急におじさん3人にテキーラのビン持って急にコール始められて」
(大吉アナ)「その時、テキーラはどうしたんですか?」
(2人組)「逃げました」
夜の繁華街は危険と隣り合わせ。今年8月には道頓堀川で外国人同士のトラブルと見られる殺人事件も起きていますが、この2人組はその様子も見ていたと話します。
(大吉アナ)「殺人事件があったんだけど、ああいうのを聞いて若い女性としては?」
(2人組)「見ていたんですよ。見てましたよ。元から音楽かけて酒飲んでた人たち。踊ってた」
(大吉アナ)「あれを見ていてどう思った?」
(2人組)「やば」
(2人組)「やば…だけですね」
(大吉アナ)「そういうリスクがあったり、怖いなと思う気持ちがあっても、夜のミナミに集まって来るというのはなんでなんかな?」
(2人組)「楽しいんで。唯一の居場所がここなんで」
(大吉アナ)「家に居場所ない?なんで?」
(2人組)「親がうるさすぎるな」
(大吉アナ)「きょうは何時くらいまで友達と一緒に過ごすんですか?」
(2人組)「みんなが帰るころに帰ります」
(大吉アナ)「わかりました。きいつけてね」
ミナミが居場所となっている少年少女
グリコの看板の下、若者たちが『グリ下』と呼ぶこのエリアに集まる少年少女たちにとって、ここは“居場所”だといいます。
(大吉アナ)「ここにいるの怖くない?」
(女の子)「友達がめっちゃ増えたんで、その後に。だから全然大丈夫です」
(大吉アナ)「すごく楽しい街でもあると思うんやけれども、若い女の子にとって危険もあるやんか。それでも来るのはなんでなんかな?」
(女の子)「暇つぶし。楽しい。楽しいからこの街は」
(女の子)「友達がいっぱいおるんですよ難波の世界って。色んな人とも知り合えるし、キャッチの人とも友達になれるし。しゃべりかけてくれるから居やすい」
大阪府警の担当者は、子どもの変化に気づくためにも、家族のコミュニケーションが大切だと話します。
(大阪府警本部少年課 山野大督警部補)
「子どもが夏休みに入って自由な時間も増えますので、色んな誘惑もあると思いますので。そういった時に家族と会話をしてもらって、大人が子どもの小さな変化に気付けるように、しっかりとコミュニケーションを取ってもらえたらと」