バスケットボールのBリーグは12月19日、「B革新」のスローガンのもと、Bリーグの新たな発展のため2026-27年シーズンから実施する「B.LEAGUE PREMIER」への参入条件を新たに満たした2クラブを発表しました。

▼参入条件は3つ

 Bリーグが「B.LEAGUE PREMIER」参入の条件として定めたのが、(1)平均入場者数、(2)売上高、(3)アリーナの3つ。Bリーグの更なる発展のため、2022-23シーズン、2023-24シーズンの2シーズンを対象に、地域に根付いていることに加え、経営力を担保しながらクラブの活動がより付加価値の高いスポーツとして機能していくために地域のハブとなるにふさわしいアリーナを確保していることを条件に掲げました。

 10月に参入が決定した22クラブに続き、今回、この厳しい基準をクリアしたのが、茨城ロボッツと京都ハンナリーズ。10月の段階では満たせなかったアリーナの基準が、今回は「2028年シーズンから、観客席数やVIPルームなどの基準を兼ね備えたアリーナで開幕を迎えることが決定しているクラブ」と定められ、京都ハンナリーズは京都府が建設を予定している「夢の新アリーナ」で2028年シーズンを迎えることが明確になったため、既に条件を満たしていた(1)平均観客数4000人以上、(2)売上高12億以上の基準に続き、見事にすべての基準をクリアして参入が決定しました。

▼京都ハンナリーズ松島社長「今の気持ちは感謝しかない」

 2年半前の就任以来、先頭に立ってクラブを「B.LEAGUE PREMIER」参入に導いた松島鴻太社長は「2年半前にBプレミア参入を目標に掲げてからこの日まで、本当に苦しいこと、くじけそうになることが多々ありました。それでも、支えてくださる皆さんの思いに必ず応えなければならないという強い気持ち、周囲の皆様の本当に暖かいご支援のおかげでこの日を迎えることができました。今の気持ちは感謝しかない。そして厳しい条件を乗り越えるために、日々泥臭くひとつひとつ課題をクリアして死に物狂いで努力くれたスタッフにも御礼を言いたい」と、元トップリーグのラグビー選手として活躍したスポーツマンらしく、仲間と周囲への感謝を口にしました。また、「何よりもほっとしたのが正直なところですが、これからがもっと大事。京都のみなさんに誇りに思ってもらえるクラブになるように、もっともっと努力をしていきたい」と語りました。

 エールを受けた、強化責任者として現場を預かる渡邉拓馬GMは「Bプレミアへの参入が叶ったのは、周囲の皆様の御支援とクラブに携わってきたスタッフ・社員の皆さんの努力の賜物。まずは、御礼を言いたい。チームの強化をゆだねられる立場になってから、ロイ・ラナヘッドコーチと共に、『2026年のBプレミアで花を咲かせることができるチーム』をつくろうと話をして、年々チームを強化してきた。京都の進んでいる道は間違ってないと、(今いる)選手たちが示してくれている。今の歩みを止めずに目標に向かってぶれずに強化を続けていきたい」と答えました。

▼大阪エヴェッサはどうなる?

 関西では、現在Bリーグに参加しているクラブの中で、10月17日に審査を通過した滋賀レイクス、神戸ストークスに続いて京都ハンナリーズのBプレミア参入が決定。一方、Bリーグ初年度から参加している大阪エヴェッサは来場者数や売上高といった条件はクリアしたものの、今回も、定められたアリーナ基準を満たすことができず、持ち越しとなりました。

 Bリーグはこの日、2クラブのBプレミア参入決定とともに、第4次審査については12月26日に臨時のライセンス判定理事会を開くことも発表。これを受けて大阪エヴェッサは、ホームページを通じて「12月26日の臨時ライセンス判定理事会へむけて最終調整を行っています」と報告。参入に向けて全力で取り組んでいることを発表しました。滋賀・神戸・京都に続いて、関西4クラブのBプレミア参入が叶うのか。12月26日の臨時理事会の行方にも注目です。

▼「B.LEAGUE PREMIER」参入決定クラブ(24クラブ)

・1次審査
宇都宮ブレックス
千葉ジェッツ
アルバルク東京
川崎ブレイブサンダース
琉球ゴールデンキングス

・2次審査
レバンガ北海道
仙台89ERS
群馬クレインサンダーズ
アルティーリ千葉
サンロッカーズ渋谷
横浜ビー・コルセアーズ
信州ブレイブウォリアーズ
三遠ネオフェニックス
名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
島根スサノオマジック
広島ドラゴンフライズ
佐賀バルーナーズ

・3次審査
富山グラウジーズ
シーホース三河
滋賀レイクス
神戸ストークス
長崎ヴェルカ

・4次審査(12月19日発表)
茨城ロボッツ
京都ハンナリーズ