奈良県、初のJクラブとして今シーズンからJ3リーグに参戦する「奈良クラブ」。3月に開幕するリーグ戦を前に、選手・スタッフ全員が集まって新体制の発表会を実施。クラブの活動を支えてくれる地域の人々や、多くのサポーターにむけて新たなステージでの飛躍を誓った。

 奈良クラブは昨シーズン、激戦のJFL(日本フットボールリーグ)を勝ち抜いて、見事優勝。Jリーグが設定した観客動員数やスタジアムの規定といった参入条件をクリアして、今シーズンからのJリーグ入りを果たした。

 Jリーグへの参入を果たしたことで、地元奈良での協力体制も充実。1月には、クラブハウスの設備も併設した専用練習場の「ナラディーア」(奈良県生駒郡三郷町)もオープン。7人の新戦力も加わって、開幕に向けて順調な調整を行っている。

 今シーズンのスローガンは『奈良一体』。

 キャプテンの小谷祐喜選手が「Jリーグの舞台で躍動するクラブの姿を目指して、日々、ナラディーアでトレーニングに励んでいる。苦しい時もあるともいますが、どんな時でも皆さんと手を取り合いながら、”奈良一体”となって前に進んでいける、一瞬、一瞬にしていきたい」と宣言すると、今シーズンからチームに加わった奈良県生駒市出身の鈴木大誠選手は「地元でJリーガーとしてプレーするという素晴らしい日々をおくることが出きている。奈良県のシンボル東大寺の大仏のように、チームに力強さと達成感、安心感を与えられるプレイヤーになろうと思っている」とコメント。

 チームを率いて3年目、スペイン出身のフリアン・マリン・パサロ監督も「今年は(Jリーグで戦える)ベースをつくるシーズン。その為に今我々に一番必要なのは、チームは勿論、フロントもサポーターもクラブにかかわるすべての人が一体になること」と、まさにクラブのスローガンに沿ったチーム強化の方針を掲げている。

 強豪ひしめく舞台への初めての挑戦。地元ロートフィールド奈良での3月5日の開幕戦の相手は、J1経験もある「松本山雅」。大阪、京都、神戸に続いて、奈良ではどんなJリーグの歴史が刻まれていくのか。

 『奈良一体』のスローガンのもと突き進む奈良クラブの“チャレンジ”から、目が離せない。

MBS制作スポーツ局 宮前徳弘