Press Release MBS

2022年1月19日
株式会社毎日放送

社長会見をオンラインで開催しました

 本日、当社代表取締役社長の虫明洋一と、MBSメディアホールディングス代表取締役社長の梅本史郎が出席し、オンラインで記者会見を実施しました。記者会見での発言の概要は以下の通りです。

【毎日放送 虫明洋一社長】
 私は今年還暦で、「一から始めます」そんな気分で新年を迎えました。それからわずか2週間あまりの間に世の中の雰囲気ががらりと変わったことに驚いています。一昨年、去年とコロナ禍に振り回され続け、ようやく少し落ち着いてきたかと思いましたが年明けから急激に感染が拡大し、今年も慌ただしい年になると覚悟を決めました。この記者会見もオンライン開催となり、皆さんと直接お会いできなくなったことを残念に思っています。今年もよろしくお願いします。
 足下の業績に話題を移すと、コンテンツビジネスの躍進、スポットセールス市場の回復と営業の奮闘で、視聴率は最下位ながら上期は想定以上の利益を出すことができました。出せた利益は再投資の源泉となります。ただし、言うまでもなく、視聴率がもっと良ければ、スポット売上はもっと伸び、再投資にもっと回すことができたはずです。私たちの番組をご覧いただくのはもはや地上波だけではありませんが、大切なのは「強いコンテンツをつくって発信する。ひとりでも多くの人に楽しんでもらう」ことです。そして貪欲に稼ぎ、次なる強いコンテンツをつくるべく再投資する。そうしたスパイラルをつくっていくことが大切だと思っています。
 強いコンテンツのうれしい一例を紹介しておきます。「呪術廻戦」が起こしているムーブメント。年末のネット特番、一挙放送の効果もあってか、「劇場版 呪術廻戦0」は公開からきのうまでで639万人を動員、興行収入は87億円を超え、今月中にも100億円を突破するかという快進撃が続いています。コンテンツビジネスの新たな成功例として大切にしていきたいと思います。
 そして開局70周年。今週土曜日にMBS開局70周年特番「関西MBS万博」を放送することはすでにお伝えしたとおりです。ほかにも周年特番としてこれまでになかった取組みにもチャレンジしていきます。
 さらに、今年はドキュメンタリー作品の映画化にも取り組みます。2017年の映像シリーズで地上波放送し、ギャラクシー賞大賞を受賞した「教育と愛国」に追加取材も加え映画化するものです。MBSのドキュメンタリー映画としては東日本大震災テーマに制作し2012年に公開した「生き抜く」以来です。
 アニメもドキュメンタリーも、長い間取り組んできたものが実を結んでいるものです。今こそ種を蒔かないと、永遠に果実は実りません。会社全体の制作力の強化は喫緊のテーマですから、無駄をカットして有益な投資に充てて、何があっても貫き通します。この春に向け、視聴率の向上を強く意識しながら、タイムテーブルのメリハリを一層明確にしていきます。どこのゾーンを作るのか、つまり経営資源を重点的に投下するのか。それらを明確にして突き進んでいく1年です。今年もよろしくお願いします。

【MBSメディアホールディングス 梅本史郎社長】
 MBSグループの上期連結決算は3期ぶりに営業黒字になりました。中核社毎日放送の業績回復が主な要因ですが、うれしいのはスタートしたばかりの新生ラジオ社が、計画を大きく上回る利益を出したことです。社員が一体感を持って、大幅な改革に取り組んだ成果だと思います。
 認定放送持株会社の体制になって間もなく5年を迎えます。また今年度は去年策定したグループの新しい中期経営計画の初年度です。現在テレビのタイムとスポットの収入は連結売上の7割を超えていますが、これを2025年度に60%台に減らす目標です。今後もグループとして収益を拡大していくため、コンテンツビジネスをさらに拡充するとともに、投資その他のビジネスにも積極的に進出して、放送に並ぶ収入の柱を建てることが急がれます。
そうした意味で『呪術廻戦』などのアニメや深夜ドラマが、配信や商品化など様々な展開で大きな利益を生み出したのは計画の進捗です。
 また昨年末、本社の隣にある梅田ロフトビルの不動産信託受益権を取得しました。これはメディアグループであるMBSが地元の賑わいを創出できれば、資産価値も高まるという決断でもあります。劇場運営の新会社も発足し、新規事業創出のためのグループ会社MBSイノベーションドライブは積極的な投資を続けています。経営計画実現へむけ、様々な土台作りを進めています。
放送をリアルタイムでご覧いただくことが減っている現状を踏まえると、時間はあまり残っていないように感じます。激動の時代に、視野を広く、スピード感を持って積極果敢に挑んでいきたいと考えています。

【当社に関する質疑応答】
Q:社長就任から半年、「MBSテレビを1番に」という決意や収入構造の見直しの進捗は。
A:半年で1番になれれば苦労はなかったのですが、新米社長の言ったことに反応し、社員が強い意欲を見せてくれていることを心強く思っています。収益回復の要因はスポット収入の回復が大きいが、上期でみるとスポット増収が20億円あまり、コンテンツビジネスの増収がおよそ14億円でコンテンツビジネスの重みが増してきています。大切なのは「強い番組を作り、発信していく」ことで、そこを強化することを課題に積極的に投資していきます。

Q:昨年スタートした「よんチャンTV」やTBS制作の「THE TIME,」に関する評価は。
A:「よんチャンTV」はスマホ世代にもご覧いただける意識した番組づくりを心掛けたことで、従来ご覧いただいていた方々が離れていった可能性があります。今後は大人も若者も楽しめる、ニュースなど『今起きていること』に拘った番組、MBSの特色である「関西にこだわる」番組にしていきたいと思います。
 「THE TIME,」はTBS発の全国ネット番組ですが、MBSも「一緒に番組をつくる」という姿勢で、福島暢啓アナウンサーがレギュラーで出演することで独自色を出せるようにしています。福島アナウンサーは安住アナウンサーと非常に親しく、それが番組にも活かされていると感じます。苦戦していますがTBSがいろいろ改善策を練ってくれているので心配していません。どちらの番組も徐々に視聴者の皆さんに浸透していくと期待しています。

Q:1月1日放送の「東野&吉田のほっとけない人」に「中立性に欠ける」との指摘があるが。
A:去年1月から定期的な単発番組として8回放送していて、司会のお二人が興味を持った人の話をきくという番組です。この番組については先週開かれた番組審議会で、委員から中立性を欠くのではないか、など厳しい意見をいただきました。これを受けて宮田専務をリーダーとして検証するための調査チームを発足したところです。詳細はきちんと調査した上でご報告したいと思います。

Q:常時同時配信について見通しは。
A:実施時期は決まっていませんが、いつスタートすることになっても対応できるよう準備を進めています。ゴールデン、プライム帯の全国ネット番組は実施する方向です。

以上
【本件に関するお問い合わせ】
株式会社毎日放送 広報部