多彩な日本の美を国内外へ発信し続ける京都・細見美術館。その開館25周年を記念して、コレクションを象徴する珠玉の優品を集めた展覧会を開催いたします。
昭和の実業家 細見良(初代古香庵、1901~79)に始まる細見家三代が80年近くを費やして蒐集した名品の数々は、日本美術史を総覧する幅広い時代とジャンルにわたります。仏画や荘厳具にみる祈りの美、細見家好みの茶の湯の美術、華麗な蒔絵や七宝と風俗画、日本美の象徴・琳派、そして奇想の画家・伊藤若冲、の5章で、細見美術館ならではの美の世界をお愉しみください。
「神や仏に捧げられた造形にこそ真の尊さがある」とする初代古香庵の信念が細見コレクションの原点です。切なる願いが込められた仏画、美麗を尽くした荘厳具などにみる日本美術の優美さ、繊細な感性、力強さに触れていただきます。
茶の湯を通じて日本美術の普及を願った初代古香庵は、自らの美意識に従い蒐集した美術品を自在に取り合わせ、茶席で用いました。特に室町時代を主とする茶の湯釜、根来は研究にも熱を入れ、他に類をみないコレクションです。
日本美術の特徴といわれる「かざりの美」。近世に至ると身近な空間を彩る調度や什器、人々の衣裳に美しい意匠や精巧な技術が凝らされ、豊かな「かざり」が展開しました。ここでは蒔絵作品、貴重な七宝コレクションのほか、北斎の肉筆浮世絵を含む風俗画もお楽しみいただきます。
江戸初期の京都で誕生した美の潮流、琳派。二代古香庵によるコレクションには、本阿弥光悦(1558~1637)、俵屋宗達(生没年不詳)から近代の神坂雪佳(1866~1942)まで20人を超える作家が含まれます。それらの中から代表的な作品を選りすぐり、紹介します。
京都・錦小路の青物問屋に生まれた伊藤若冲(1716~1800)。狩野派や中国古画などを独学で修めた後、自らの表現を追求し、独創的な絵画を生み出しました。初期の著色画から晩年の水墨画まで、充実のコレクションを通じて若冲の表現力を体感できます。
*大阪髙島屋、日本橋髙島屋 2会場分
*各会場で異なる場合がございます
*各会場の会期は予定のため
変更になる場合がございます