「Webニュースメディア記者」と聞くとどんな人物像を思い浮かべるだろう。ITツールを駆使して、SNSで速報を発信...?しかし、奈良を拠点に調査報道を行う地域密着Webメディア「奈良の声」編集長・浅野善一さん(65)の取材スタイルは、アナログそのものだ。カーナビなしの軽自動車で、車を止めては地図を確かめ現場を目指す。ICレコーダーも使わず、取材相手の言葉をノートにメモする。そもそもスマホを持たない、ガラケー主義者だ。
奈良選出の女性首相誕生にも関心がない。こだわるのは「マスメディアが取り上げない地域の課題を掘り起こす調査報道」。時に「寸鉄」のようにスクープを放つ。大阪・関西万博での奈良県イベントで使われた高級ビーズクッション50個が3日間使用されただけで廃棄されていたことをすっぱ抜いた。県議会で問題視され、費用は受託業者が支払うことに。無駄な公費支出を食い止めるきっかけをつくった。県内のある町議会が定数削減を非公開の協議会で決めていたことも独自報道した。
元々、地元紙の記者だった浅野さん。デスク業が長くなるにつれ「現場記者に戻りたい」という思いが募り、同僚記者で妻の詠子さんと退社、「奈良の声」を創設した。誰にも忖度したくないため、特定のスポンサーではなく読者の寄付に支えられる独立Webメディアだ。生活は楽ではない。アルバイトで糊口をしのいだ日々もあった。
全国紙やテレビ局が地方の取材網を縮小させ「ニュース砂漠」と言われる時代。地域の声を拾い、行政を監視する「奈良の声」の姿に、ニュースメディアの未来像を探る。
小さき声を届ける(仮)
2026年4月26日(日)放送
4月26日(日) あさ 5時00分放送
小さき声を届ける(仮)
番組について
真夜中のドキュメンタリズムから黎明のドキュメントへ
映像’26は1980年4月に放送を開始した関西初のローカル・ドキュメンタリーです。
月1回、深夜の放送から日曜あさに移動し再放送やネット配信も充実させながらテレビドキュメンタリーの発信を続けていきます。
