滋賀県彦根市に住む元看護助手の西山美香さん(39)。彼女は今、濡れ衣を着せられた無実の罪を晴らそうと闘っている。事件は2003年に起きた。美香さんが勤めていた病院で当時、72歳の男性患者が死亡。看護助手だった西山さんが、警察の取り調べに対して殺害を自白し、逮捕・起訴された。裁判では一転、起訴事実を否認したが、一審・二審とも有罪判決が言い渡された。最高裁でも上告が棄却され、懲役12年の罪が確定、服役した。大きな転機は今年3月、再審開始が確定したのだ。いずれ再審公判が開かれることになる。
番組では、24歳で逮捕され39歳になった今も「えん罪」の被害に苦しめられている美香さんの闘いの日々に密着。その心の奥底からの叫びに耳を傾けるとともに、えん罪を生みやすい今の日本の捜査・裁判のシステムを検証し、その是正に向けて問題提起していく。
月1回、それも日曜日深夜の放送という地味な番組ながら、ドキュメンタリーファンからの根強い支持を頂いており、2020年4月で放送開始から40年になります。
この間、番組は国内外のコンクールで高い評価を受け、芸術祭賞を始め、日本民間放送連盟賞、日本ジャーナリスト会議賞、更にはテレビ界のアカデミー賞といわれる国際エミー賞の最優秀賞を受賞するなど、輝かしい成果を上げてきました。また、こうした長年にわたる地道な活動と実績に対して、2003年には放送批評懇談会から「ギャラクシー特別賞」を受賞しています。
これからも「地域に密着したドキュメンタリー」という原点にたえず立ちかえりながら、より高い水準の作品をめざして“時代を映す”さまざまなメッセージを発信し続けてまいります。