“高市旋風”が巻き起こった今回の衆議院選挙。自民党が「歴史的な大勝」をおさめた一方で、自民党と連立を組む日本維新の会は目標の38議席に届かず伸び悩む結果に。

 維新は今後、政権内でどう存在意義を示していくのか?また大阪都構想の行方は?MBS山中真アナウンサーが日本維新の会・吉村洋文代表に根掘り葉掘り聞きました。

圧勝の与党として…維新は何を実現していく?

―――維新が強くアクセルを踏んでいきたいとしている政策は▽議員定数削減、▽社会保険料の引き下げ、▽食料品の消費税2年間ゼロ、▽副首都、の4つですが、どの政策をいつ頃までに実現したいですか?

 (吉村代表)「『議員定数削減』は今国会中にやり切りたいと思います。これは約束で、維新の原点でもあります。『副首都構想』については、自民党と日本維新の会で副首都法案の下準備をしている。これも今国会で議論して成立させるところまでやり切りたいと思います」

 「『食料品消費税2年間ゼロ』は、維新の会が参議院選挙でも訴えてきて、連立合意にも入っています。今回の公約にも掲げましたし、主要争点になりましたから、絶対にやる。よく物価が上がると言いますが、何が上がっているかというと食料品なんですよね。食料品が値上がりすると、所得の厳しい人や子育て世帯にとってしんどい。他党の皆さんにも呼びかけをして、きのう総理も話していましたが7月頃に方向性を示し、僕はできれば2026年度中(来年の春まで)にやり切りたいと思っています」

「“無駄遣い”については僕らはブレーキ役」

―――社会保険料の引き下げは?

 「社会保険料は本当に高すぎます。年収350万円の人で社会保険料の引かれる額は50万円です。事業主も同じ50万円を負担している。つまり年収350万円の人は社会保険料を100万円負担している。なかなかこれでは持たない。維新の会が連立に入ってから、約1兆円は引き下げられるところまできました。ただここは非常に範囲も広く、壁も厚いところがたくさんあるので、時間をかけながら1つ1つ着実にやっていくことが重要です」

―――財政面では「責任ある積極財政(=お金を使う)」を掲げる高市総理に対し、維新は「身を切る改革(=切り詰める)」による財政規律を重視しているようにみえます。考え方が一致しない部分もあるのでは?

 「ここに維新の会が与党の中で果たすべき役割があると思っています。僕はどんどんお金を使ってもいいと思うんです。さまざまな成長分野に投資する、子どもたちに投資する、必要なところにお金を使うのは僕は賛成です」

 「ただ歳出の改革は、10年間知事と市長をやってきた僕としては絶対必要。大切な税金ですから。ここはなかなか自民党だけでは進めにくいと思います。だからこそ日本版DOGE(租税特別措置・補助金見直し担当室)をつくって動かし始めています。“無駄遣い”については僕らはブレーキ役です」

維新から大臣誕生の可能性は?

 連立を組む自民党との関係や立ち位置は今後どうなるのでしょうか。

 これまで閣外協力の形をとってきた維新。吉村代表は2月9日の与党党首会談後に閣内協力について「正式な打診は受けていない」とした上で、前向きに検討する姿勢を見せていました。

―――現時点で、協議に進展はありますか?

 「きのう高市さんと党首会談を行い、連立を維持してより強化していきましょうという話をしました。しかし結構人がいたため、その場では(閣内協力の)話は出なかったんです。その後、夜に高市さんと電話で話すタイミングがあり、次の内閣改造を行う時にはぜひ入ってもらいたいと正式オファーが来ました」

 「今回、初めて自民・維新の連立政権の信を問う選挙をやったわけです。主権者である国民の皆さんに信を問う選挙を行い、投票していただいたと。そしてこれをさらに進めていく必要がある。連立合意の中には我々の政策もたくさん入っていて、僕自身もアクセル役になって進めると有権者の皆さんに約束しましたから、それなら閣内に入り、内閣においても責任を共有して実行していく必要があると僕自身は今考えています」

―――以前は閣内に入るべきではないとして閣外協力の形をとっていましたが、何が変わりましたか?

 「一番大きいのは選挙です。これまで自民・維新の合意は僕らだけでの話でしたが、今回は有権者の皆さんにその信を問い、僕たちもアクセル役になって進めると宣言してこの選挙に突入したので。正式には今週末、維新の執行役員会で意見を聞いて最終判断をしたいと思います」

大臣を担当するなら誰?聞いてみると…

―――大臣ポストに関して詳しいことは決まっていますか?

 「今そこまで具体的な話はないです。『次の内閣改造の時にぜひ入ってください』という話だったので、その時期が近づいたら高市総理と直接相談をしたいと思っています。総理は今の組閣については維持したいとおっしゃっているので、しばらくは維持されると見ていますが、(次の内閣改造は)それほど先の未来ではない可能性もあるので、今のうちに準備しておかないといけないと」

―――維新として『大臣を担当するならこの人』というイメージはありますか?

 「馬場さん(前代表)もすごく経験豊かだし、前原先輩(前共同代表)もそうですよね。ただ遠藤さん(国対委員長)は今のポジションがとても効果的。ですが『人』はこれからです。大事なのは何をするか」

 「今回、日本全国自民党一色になった中でも日本維新の会に投票してくれた方がいらっしゃる。特に大阪で多くの方に投票していただき、『維新頑張れ』と応援してくださった方が多くいらっしゃるので、僕はその信頼だけは絶対に裏切りたくない。知事市長としてそうやってきたので。なので、何をするか、どうすればそれが実現できるかという目線で考えていきたいと思います」

全国で信頼を得るためには「実行。しんどくてもやる姿勢が大事」

―――連立入りし、閣内入りする可能性も高いという中で、比例票は全国で伸び悩んでいます。全国政党として今後どう動いていくか、それとも近畿に集中していくのか、どう考えていますか?

 「有権者の皆さんは、(政策を)実行しているか、またそれに向けて難しい課題でも満身創痍になって努力をしているか、すごく見ていると思うんですよ。大阪で投票していただけたのは、維新がやってきたことに対して『昔よりはまともなことをやっている』という信頼だと思うんですよね」

 「なので全国においても、社会保障改革や食料品の消費税ゼロ、定数削減といったことを実際に実行していけば、全国の皆さんにも『日本維新の会はそういうことを実行していく政党なんだな』とご理解いただけると思う。僕たちはまだあまり実績がないので、全国的な実績を、日本のためにやっているんだと、しんどくてもやる姿勢が大事だと思っています」

大阪ダブル選の「無効投票率1割超」をどう受け止める?

 衆議院選挙と同日に行われた大阪府知事・市長のダブル選挙。知事選で圧勝した吉村代表は、都構想への挑戦について「信を得られた」と話していましたが、一方で知事選の「無効投票率」は1割を超えていました。

―――無効投票率の高さについて、抗議の意味もあると捉えていますか?

 「はい。率直にそのように捉えています。やはり反対意見の方もいらっしゃいますし、今じゃないのではないかという意見がある。それが無効票になっていると思います。これから副首都の議論が進みますが、反対の意見もあることを踏まえた上で都構想の設計図を作っていきたいと思います」

―――任期中の来年4月までに新たな設計図を作って3回目の住民投票を目指すということですが、1年2ヶ月で前回否決されたものとは違った設計図を作ることは現実的に可能ですか?

 「より良い案は当然作っていきたいと思います。今回は副首都の要素が新たに入っていますので、まさに国家の方向性にもなっている。これまでのような区割りの内容や、二重行政を解消して住民サービスを拡充させるといったことに加えて、国として東京一極集中ではない、そんなエリアを作っていくという案になると思いますので、これまでとは少し変わったものになると思います」