いよいよ8日に投開票を控える衆議院選挙。高市総理への支持を追い風に、自民党が単独で過半数を大幅に上回る勢いを見せる一方、野党の新党「中道改革連合」の議席数は公示前から半減する可能性も出てきました。

 関西の小選挙区では、これまで議席を取り続けてきた野党・中道の重鎮たちが自民候補の猛追を受ける事態となっています。

 いま、各小選挙区では何が起こっているのか。衆院選終盤の『激戦』の情勢を、現場取材を重ねているMBSよんチャンTV・米澤飛鳥編集長の解説とともに詳しくお伝えします。

自民党「絶対安定多数」261議席へ独走の可能性も 一方の野党は…

JNNは2月3日~5日、インターネット調査を行い、取材を加味して終盤の情勢を分析しました。この調査によると、自民党は単独で過半数を大きく上回り、すべての常任委員会で過半数の委員を確保して委員長ポストを独占できる「絶対安定多数」=261議席を単独で超える可能性が出てきました。
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対照的なのが、立憲民主党と公明党が合流して誕生した新党「中道改革連合」です。序盤より失速がみられ、公示前の172議席から半減するおそれも指摘されています。

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JNNの比例の投票先についての調査では、自民党が40%と最も多いのに対し中道は20%と2倍の開きが出ています。
無党派層の投票先についてのデータでは、自民党は序盤から終盤にかけて7ポイント増えているのに対し、中道はプラス3ポイント。約50%がまだ投票先を決めていないということですが、無党派層にも自民党への支持の勢いが現れています。
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こうした情勢について、MBSよんチャンTVの米澤編集長も取材を通して実感しているといいます。
(MBS米澤編集長)
「高市総理による応援演説の現場に行くと相当な人が集まっていて、『普段は自民党を支持していないが、高市さんは応援している』という声も多く聞きました」

【関西の激戦区】自民追い風のなか野党の重鎮・ベテランの足元は / 前回は『維新全勝』の大阪 今回はどうなる

今回の選挙戦では、関西の選挙区にも大きな変化が見られます。これまで野党の重鎮や維新が議席を獲得してきた地域に、自民党の追い上げが及んでいるのです。

■京都:中道の重鎮 泉健太氏・山井和則氏が自民候補と激戦

■京都3区:京都市伏見区、向日市、長岡京市など

中道・泉健太さん、自民・繁本護さん、維新・木村元紀さん、共産・西山頌秀さん、参政・樋口智さんが立候補している京都3区。
立憲民主党の元代表として高い知名度を誇る前職・泉さんと、自民元職の繁本さんが激しい接戦を繰り広げています。

「泉さんは中道の支持の9割を固め、立憲・公明の7割超の支持も得て組織としては票を固めつつあるということですが、それを上回る高市総理の人気で自民党に勢いが出ているとみられます。繁本さんは自民支持層の6割を固めていて、かつ高市総理が4日に応援演説に入っています」(MBS米澤編集長)

ただし、調査では3割近くの人がまだ投票先を決めていないと回答しています。

■京都6区:宇治市、城陽市、京田辺市など
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また、自民・園崎弘道さん、中道・山井和則さん、共産・上條亮一さん、参政・大奈さんが立候補する京都6区でも、中道の前職の山井和則さんが、自民新人の園崎弘道さんと『接戦』となっています。
「山井さんは立憲民主党の幹事長代理も務めていたこともあり、何度も当選している大ベテラン。山井さんも組織としては固まってきているようですが、それを上回る高市総理の人気があり、園崎さんは自民支持層の7割を固めたうえ、こちらにも高市総理が応援演説に入っています」(MBS米澤編集長)

ここでも約3割の人がまだ投票先を決めていないということです。

京都3区と京都6区では、ともに高市総理が応援演説を行っています。これも選挙区の『激戦』の情勢をあらわす要素で、接戦区とみなされていることがわかります。

■奈良:総理の“お膝元”で問われる支持

■奈良1区:奈良市の一部、生駒市

奈良県は高市総理の地元。
自民・小林茂樹さん、中道・馬淵澄夫さん、国民・杉本葵さん、共産・谷川和広さん、参政・黒川洋司さんが立候補している奈良1区では、自民の前職・小林茂樹さんがリードし、中道の選挙対策委員長を務める前職・馬淵澄夫さんが追う展開となっています。

「馬淵さんは中道の選対委員長を務めていて選挙の参謀ともされる人物ですが、追う展開になっている。奈良はまさに総理のお膝元で、高市内閣の支持率が小林さんに流れ、馬淵さんの組織的な票固めを上回る風が自民党に吹いているとみられます」(MBS米澤編集長)

調査では2割あまりの人がまだ投票先を決めていないと回答しています。

■大阪:維新と自民、勝ち名乗りを上げるのはどちらか

前回は日本維新の会が19選挙区で全勝した大阪でも異変が。与党同士となった自民党と維新の会が激戦を繰り広げている選挙区があるのです。

■大阪7区:吹田市、摂津市

自民・渡嘉敷奈緒美さん、維新・奥下剛光さん、共産・川添健真さん、参政・石川勝さんが立候補する大阪7区では、自民の渡嘉敷奈緒美さんと維新の奥下剛光さんが接戦です。

「大阪では前回維新が全勝したということで接戦区があるだけで驚きですが、ここでも高市内閣の支持層が多く、それがストレートに渡嘉敷さんに流れていることがわかります。また、自民支持層だけでなく幅広く支持を集めているようです。一方の奥下さんは維新支持層の5割強を固めているということです」

5割弱の人がまだ投票先を決めていないということで、接戦の行方が注目されます。

■大阪19区:貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市、泉南郡
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さらに大阪19区でも、自民の元職・谷川とむさんと維新の前職・伊東信久さんが激しく競り合っています。
「谷川さんは幅広い年齢層から支持を集めているということがデータからわかっています。一方の伊東さんも維新支持層の6割強を固め、無党派層にも浸透していて維新の底堅い人気もみられますが、それを上回る自民への追い風がここでも吹いているようです」(MBS米澤編集長)

中道・新人の小羽根正代さん、参政・新人の松岡能礼さん、共産・新人の北村みきさんは厳しい戦いです。

■高市総理は大阪に応援に入るのか

大阪でも自民党の候補が接戦を繰り広げている『激戦区』があるなか、高市総理が大阪に応援演説に入ることはあるのでしょうか。

陣営からは待望論が上がっているといいますが、自民党としては連立を組む相手である維新の「お膝元」である大阪では配慮が必要、との見方もあり、残りの選挙期間内に高市総理による応援演説が行われるかどうかは不透明です。

■有権者が最も注目すべき選挙区は…

政治ジャーナリストの武田一顕氏は、野党・中道の重鎮たちが全国的に苦戦している点に注目しています。

いわゆる『小泉旋風』が吹いた2005年の『郵政選挙』で当時の野党への逆風をはねのけて当選した現中道の馬淵さん、山井さんのような候補者が接戦のなかにいることが今回の選挙の特徴だということです。

ただし、有権者として最も注目すべき選挙区は、自分自身が暮らす地域の選挙区であるとも強調しました。

第51回衆議院議員選挙の投開票日は、2月8日(日)です。