衆院選の投開票日が迫るなか、今回取材したのは大阪市の東淀川区・淀川区・西淀川区・此花区からなる「大阪5区」です。

 立候補しているのは、届け出順に以下の6人です。

▼維新・前職  梅村聡候補(50)
▼れいわ・前職 大石晃子候補(48)
▼国民・新人  前田英倫候補(51)
▼参政・新人  松山恵子候補(52)
▼共産・新人  湊隆介候補(42)
▼自民・元職  杉田水脈候補(58)

 大阪5区では、前回までは公明党の候補が出馬していましたが、今回、公明党と立憲民主党が結成した中道改革連合の候補はいません。また、維新の連立政権入りにより、今回は与党同士の争い対決にもなっています。構図が大きく変わった注目区を取材しました。

維新・前職の梅村聡候補(50)自民との“与党対決”「社会保険料を下げる改革は高齢者にも、若い世代にも大事な政策」

 日本維新の会の前職・梅村聡候補(50)。前回の衆院選、公明党が長年議席を守ってきた大阪5区で、維新の候補として初めて出馬し、当選しました。内科医としての経験を踏まえ、党が掲げる社会保障の改革を訴えます。

 (維新・前職 梅村聡候補)「どの部分で医療や介護にお金がかかりすぎるのか、これが一番よくわかっているのが私だと思います。社会保険料を下げる改革、これは高齢者の方にとっても、若い世代の方にとっても大事な政策ですから、わたし梅村聡にぜひさせていただきたいと思います」

 選挙期間中、昼休みになるとほぼ毎日しているのが、今回の選挙から始めたというSNSでのライブ配信。

 【配信動画 ※2月1日 梅村候補のXより】
 (維新・前職 梅村聡候補)「実は2月2日まで、あしたまで僕ね、運気悪かったんですよ。(投開票日が)2月8日って聞いて、一番、全候補者の中で胸をなでおろしたのは僕だと思います」

 選挙の形が変わるなか、幅広い層に政策や人柄を知ってもらいたいといいます。

 (維新・前職 梅村聡候補)「僕はあんまり、自分自身やっていなかったんですけど、『やろうぜ』っていううちの議員がおられて。やったらおもしろいですね。本当はどんな人なんだろうみたいなね。そういうのを伝えていけるようなことができれば」

 前回の選挙では、大阪の小選挙区で全勝した維新。連立入りしたことで、今回は与党同士の対決となりました。維新が高市政権で政策実現の「アクセル役」になると強調する梅村候補。似通った政策が多くなるなかで、自民との違いをアピールし、再選を目指します。

 (維新・前職 梅村聡候補)「例えば『副首都構想』ですね。連立合意書には入っていますけれども、自民党さんはほとんど言われていないと思うんです。政策の濃淡を見極めていただくということも、これも非常に大事なことかなと思います」

自民・元職の杉田水脈候補(58)30年ぶりとなる自民からの候補者「食料品の消費税をゼロ。やり切れるのは高市自民党しかありません」

 そこに挑むのは衆議院議員を3期務めた自民党の元職・杉田水脈候補(58)。

 (自民・元職 杉田水脈候補)「大阪5区の皆さまの生活を、守って、守って、守って、守って、守り抜きたいんです」

 大阪5区は前回まで、選挙協力をしていた公明党が候補者を立てていましたが、自公の連立解消などを受けて、自民党は30年ぶりとなる候補者の擁立に踏み切り、急遽、選ばれました。

 (自民・元職 杉田水脈候補)「『(選対委員長から)あなたの選挙区は大阪5区です』って。『はい』って言って。『大阪弁しゃべれる?』って、『もちろん関西出身なのでしゃべれますけど』。『じゃあ合格』って言われまして」

 杉田候補は、いわゆる旧安倍派の“裏金問題”をめぐって党の役職停止6か月の処分を受け、2年前の衆院選では出馬を見送り。去年の参院選には比例で出馬するも、落選しています。

 (自民・元職 杉田水脈候補)「みんな呼ばれて、取り調べを受けて、もう帳簿とか通帳とかも全部出して、それで不起訴っていう形になったわけですよね。これ以上何をしたら身の潔白が証明できるのかというのは、分からないですよね」

 兵庫県出身で、地盤もなにもない選挙区での戦いですが、有権者の反応は…

 (有権者)「ここから自民党を出してくださいね」
 (自民・元職 杉田水脈候補)「はい、絶対ここから自民党を出します。よろしくお願いします」

 「高市派」を掲げて活動する杉田候補。高市総理のパネルに並び、やり遂げたい政策を訴えます。

 (自民・元職 杉田水脈候補)「マンションや商店街の店舗なんかが外国に買われている。『本当に大丈夫だろうかと思う』そういう声もたくさん聞いています。新しい法律を作っていかないといけない。やらないといけないことはたくさんあるんです。そういう仕事をまだまださせていただきたい。食料品の消費税をゼロにすると言っている政党いっぱいありますが、絶対にこれをやり切れるのは高市自民党、高市自民党しかありません」

れいわ・前職の大石晃子候補(48)「25年前から奪われ続けて、年収140万円も減っている。取り返しに行かないと」

 そんな与党対決に鋭く切り込むのが…

 (れいわ・前職 大石晃子候補)「この声聞いた方、これなんかテレビでやかましい声させとったなと。あいつが私です、大石晃子です」

 れいわ新選組の前職・大石晃子候補(48)。党が掲げ続けてきた「消費税の廃止」を訴えます。

 (れいわ・前職 大石晃子候補)「れいわ新選組は2019年から消費税廃止を訴えています。25年前から奪われ続けて、年収140万円も減っているんですから。取り返しに行かないといけない、そのための経済政策をいっぱい打っていかないといけない」

 今回の選挙はいつもと勝手が違います。党の顔だった山本太郎代表が健康上の理由で議員を辞職したため、大石候補が共同代表として全国を飛び回らなければならないのです。

 (れいわ・前職 大石晃子候補)「れいわ新選組としても大ピンチ、存亡をかけた大ピンチではありますが、日本社会の大きな進路がかかっているんだという責任を私は感じております」

 街頭演説では政権や与党の姿勢について疑問を投げかけます。

 (れいわ・前職 大石晃子候補)「もう国民は裏金問題を許したのかなって、自民党は思っているわけです。許してないですよね、皆さん。そして維新ですよ、なお悪いのは。国保逃れ、大問題じゃないですか」

 一部からは「批判ばかり」との声も聞かれる大石候補の演説。真意を聞くと…

 (れいわ・前職 大石晃子候補)「やりもせんのに消費税減税を(ほぼ)全党が出しているので、それって違いが皆さんにつかないわけですよね。消費税廃止と、ウソつき政治家をシバきまくる。これセットもんで、『そういう大石です』って言っていかないと、皆さんに区別が伝わらないんですよね。いかにうまくバランスよくセットもんで訴えていけるかというのは、『反対だけ言うんか』と思われないように、気をつけていきたいなと思います」

国民・新人の前田英倫候補(51)「皆さまの手取り、生活を守る。その法律を私が国会に行って作る」

 名刺を配りながら商店街を練り歩くのは、国民民主党の新人・前田英倫候補(51)。弁護士として働くなかで、より世のため人のためになる事をしたいと、今回の選挙に立候補しました。

 (国民・新人 前田英倫候補)「弁護士として培った課題解決力、経験、知識をもとに、この日本の課題解決、ぜひ解決してこの日本を前に進めたい」

 選挙戦では、手取りを増やす政策に着手したいと訴えます。

 (国民・新人 前田英倫候補)「30年も40年も一生懸命働いて、働いて、年金と貯金で生活ができない、おかしいじゃないですか。皆さまの手取り、生活を守る。その法律を私が国会に行って作る」

共産・新人の湊隆介候補(42)「諦めを一つ一つ減らしていくのが政治の大切な役割」

 共産党の新人・湊隆介候補(42)は、「何かをあきらめなくていい日本へ」をスローガンに、選挙戦に臨みます。

 (共産・新人 湊隆介候補)「本当は自分の大切な名字を残して結婚したいのに、それができないという諦め。仕方がないことなのでしょうか?本当に諦めで終わらないといけないことなのでしょうか?そういった諦めを一つ一つ減らしていくのが政治の大切な役割だと」

 演説では物価高対策のほか、高市政権下での日米関係や安全保障政策について苦言を呈します。

 (共産・新人 湊隆介候補)「アメリカべったりの姿勢というのが、やっぱりちょっとおかしいという事だと私は思います。本当にこれで日本の平和や安全を守れるのか。今の高市さんの路線が正しいのか、これを鋭く問わなければならないと」

参政・新人の松山恵子候補(52)「誰もサボってない。でも手取りが残っていない」

 参政党の新人・松山恵子候補(52)。主婦だった松山候補が政治の道を志したのは、大学生の娘から言われたある言葉でした。

 (参政・新人 松山恵子候補)「『結婚して子どもを作ったら、めっちゃお金かかるということやろ。そんなんな、自分で稼いだお金は自分だけに使いたいわ』なんか、めちゃめちゃショックでした」

 将来に希望が持てるように「日本人ファースト」を合言葉に、国民の手取りを増やす政策を訴えます。

 (参政・新人 松山恵子候補)「なんぼ働いても、結構46%くらい国に持っていかれているじゃないですか。誰もサボっていないんですよ。でも手取りが残っていない。それをまずしないと、豊かさとかって、考えれないかなって」

 6人が争う激戦区。有権者はどのような判断を下すのでしょうか?