2月8日に投開票される今回の衆議院選挙。JNNの最新の世論調査によると、現時点で投票する場合、比例代表でどの政党に投票するか聞いたところ、最も多かったのは▼「自民党」で32%、▼続いて「中道」が10%、▼「まだ決めていない」は24%でした。

 そんな今回の衆議院選挙において、自民と公明の連立の解消、自民と維新の連立、立憲と公明による中道改革連合の結成など、「政界再編」の影響が色濃く表れている選挙区のひとつが大阪16区(堺市堺区、東区、北区)です。激しい『混戦』となっている大阪16区の新たな構図について、MBS記者の取材と『よんチャンTV』米澤飛鳥編集長の解説をもとに深掘りします。

三つ巴から四つ巴へ…激変する「大阪16区」

 大阪16区には以下の4人が立候補しています。
  ▽葉田治央候補(46)(自民・新)
  ▽黒田征樹候補(46)(維新・前)
  ▽森山浩行候補(54)(中道・前)
  ▽池上和日子候補(41)(参政・新)

 前回2024年の衆院選では、維新の候補が6万3288票を獲得し当選。その他、公明(5万5475票)・立憲(5万943票)がいて、立憲の候補が比例で当選しました。

 MBS米澤飛鳥編集長は、これまで維新・公明・立憲の三つ巴での争いだったものが、今回は『四つ巴』の戦いになると指摘します。

 (MBS米澤飛鳥編集長)「これまでは公明がいたので自民からの候補はずっと立っていませんでしたが、自公連立が解消され、30年ぶりに候補が立ちました。また、維新からも前職候補が出ているということで、自民と維新は連立は組んでいるとはいえ、選挙区ではライバル同士という構図です」

 また、この選挙区ではこれまで立憲と公明が激しい選挙戦を繰り広げてきました。そのため、2党による『中道』の結党がうまくいくのかという試金石でもあり、前回は出ていなかった参政党からも候補が出ているので、保守票の奪い合いも起こり得る非常に予測がつかない選挙区になっているといえます。

 そんな大混戦の様相となっている大阪16区の各候補者を取材しました。

維新・前 黒田征樹候補(46)「自分自身がやってきたことで、これからの政策を訴えていく」

 おととし行われた前回の衆院選で公明、立憲をおさえて大阪16区を制した日本維新の会の黒田征樹候補(46)。しかし、今回はその2党が新党「中道改革連合」を結成し候補を一本化。さらに自民や参政も加わる混戦となっています。

 そんな中、黒田候補は連日歩いて、有権者1人1人と触れ合う活動に力を入れています。

 (維新・前 黒田征樹候補 46)「この方が人と話せる。単純にそれだけです。街宣(車)に乗っていたらやっぱり、ただ通り過ぎるだけになってしまうので」

 少年時代はサッカーで大阪選抜、空手で西日本大会優勝と、スポーツで培った体力が自慢の黒田候補。

 選挙期間中は1日20kmを歩き、生の声を聞くといいます。そんな黒田さんが訴えるのは「物価高対策」です。

 (維新・前 黒田征樹候補 46)「食品の消費税0%。こういったことも掲げさせていただいていますけれども、短期的な物価高騰対策。そして、ゆくゆくはやはり皆さんの賃金を上げていく、そのために経済成長させなければいけません」

 今回、維新にとっては与党入りして初の選挙。ただ、自民と選挙区調整はせず、「与党対決」となりますが…

 (維新・前 黒田征樹候補 46)「他の候補者のことを気にしたということは一度もなく、自分自身がやってきたことで、これからの政策を訴えていく。自民党だけではできないことを維新の会だからこそ進めるというところは、訴えさせていただきたいと思います」

自民・新人 葉田治央候補(46)「批判もすることなく黙々と政策だけで勝負できるので、そこはいいところかなと思います」

 異例の与党同士の対決。自民の候補者は、新人の葉田治央候補(46)です。

 (自民・新人 葉田治央候補 46)「どうかみなさん、この大阪16区から葉田治央を勝たせてください。高市早苗総理と一緒に働かせてください」

 公明との連立解消を受け、30年ぶりに自民が候補を立てました。

 投資会社社長の葉田候補は、扶養に入っている配偶者などに社会保険料の負担が生じる、いわゆる「130万円の壁」の引き上げを訴えています。

 (自民・新人 葉田治央候補 46)「働けば働くほど手取りが減るんです。みなさんそれおかしくないですか?私この『130万円の壁』を190万円に引き上げたいんです」

 この日は駅前に立ちますが、選挙への立候補は初めてで、突然の選挙ということもあり、まだまだ戸惑うことも多いといいます。そこで頼りにしているのが高市総理の人気です。選挙カーから流すのも…

 (高市総理の声)「自民党候補者への一票が私の力になります。どうかあなたの一票を自民党の候補者に託してください」

 (自民・新人 葉田治央候補 46)「高市総理のテープを流すだけで、こんなに有権者に振り向いていただけるのかと…。私個人でこんな力があるのかといったら、ないですね」

 ただ、その高市総理ですが今のところ大阪に応援に入るかは不透明です。連立相手でもありライバルでもある維新との戦いについて聞くと。

 (自民・新人 葉田治央候補 46)「現に維新さん過去にすごい結果も出されてきていますから、大阪をこれだけ立て直したのは維新さんの実績だと思います。批判もすることなく黙々と政策だけで勝負できるので、そこはいいところかなと思います」

中道・前 森山浩行候補(54)「中道という新しい塊を作ったよということをお伝えをするということだと思うんです」

 そして、そんな与党の候補らと対峙するのが…

 (中道・前 森山浩行候補 54)「元気モリモリ森山浩行です!この度、新党・中道改革連合、多くの同志と一緒に集まってまいりました」

 大阪16区に中道改革連合から立候補している森山浩行候補(54)。

 前回は立憲から比例で復活当選しましたが、今回は立憲と公明が合流した新党に移って「生活者ファースト」の政治を訴えます。

 (中道・前 森山浩行候補 54)「(自民は)食料品の消費税ゼロさえも実現をせずはねつけておいて、選挙になったら自分たちも食料品ゼロを言ってみる。こんなご都合主義がありますか?いま物価高対策を本当に進めていくためには、われわれが伸びるしかないんです」

 そんな森山さんですが、長年にわたって「常勝関西」とも呼ばれ大阪に強固な支持基盤をもつ公明党と戦ってきました。しかし、今回は…

 (中道 斉藤鉄夫共同代表)「どうか中道の旗に集った森山浩行、森山浩行」

 第一声には公明党の前代表で中道改革連合の斉藤鉄夫共同代表が応援に駆けつけました。

 とはいえ、できたばかりの政党。以前から森山候補を支持しているという人は…

 「比例でね、立憲民主党書かないようにせないかんね。それが慣れとるからな、ずっとな。今まで公明党とはね、ちょっとあれやったけどね」

 一方、これまで公明党の候補を支持してきた人は…

 「今まで応援してた公明党がな、今度は中道になったからね。ちょっと戸惑いがあんねん」

 (中道・前 森山浩行候補 54)「まずは多くの皆さんにきちんと今回、中道という新しい塊を作ったよということをお伝えをするということだと思うんですね。対立とか分断じゃなくて、ちゃんと前に進めていこうよと」

参政・新 池上和日子候補(41)「これまでの政治に満足していない人たちに、新しい選択肢を提示したい」

 そんな混戦の中で初めて候補を立てたのが、今回の衆院選に190人を擁立している参政党です。

 大阪16区には新人・池上和日子候補(41)が立候補しています。堺市出身の主婦である池上候補は、減税や社会保険料の削減を訴えています。

 (参政・新 池上和日子候補 41)「国民の生活が悪い方向に進むのか、もしくは明るく、強く、そして子どもたちに誇りをもって渡せる日本を実現させられるのか」

 2児の母でもあり、忙しい選挙活動の最中も、子どもたちのことが頭から離れないといいます。

 (参政・新 池上和日子候補 41)「2月8日投票日が、この子(子ども)の誕生日なんです。誕生日は家におるでって。投票日やから家おるよ。2月7日まで忙しいよ」

 池上候補はこれまでの政治に満足していない人たちに、新しい選択肢を提示したいといいます。

 (参政・新 池上和日子候補 41)「景色を変えていけると私は思っているから、その選択肢として、今は参政党、今回堺に関しては、本当に初めてのことだから。政治は自分とは関係ないと思っている方、もしくは『行ったって変われへんやろ』と諦めている方に伝えていきたい」

各陣営も「本当にどうなるかわからない」 公明票のゆくえは…

 過去の選挙戦とは大きく構図が変わり、激戦の様相を呈している大阪16区。各陣営に取材をすると「本当にどうなるかわからない」という声が聞かれるといいます。

 いわゆるかつての『公明票』がカギになってきそうですが、公明党出身者は今回は比例に回っていて、そのゆくえも現時点では見えづらい。選挙の構図が複雑なので、「残り1週間とにかく地道にやっていくしかないんだ」という声が多く聞かれる情勢となっています。

 JNNの序盤の情勢調査では5割の人がまだ投票先を決めていないと答えていて、今後情勢は大きく変わっていく可能性があります。

 衆議院選挙の投開票は2月8日(日)です。