去年の屈辱を糧に「全員が覚悟を」
頂点を目指し、強みの守備を極める
チケットは即完売。推し選手のユニフォームやグッズを身にまとったファンが、スマートフォン片手に選手たちに熱い声援を送る。その人気は、アイドルグループにもひけをとらない。
2年前のネーションズリーグで銀メダル。16年ぶりに自力出場を決めた同じ年のパリ五輪ではベスト8進出。バレーボール男子日本代表を取り巻く熱狂は、実力と比例して大きくなってきた。だが、本気で頂点を目指した去年の世界選手権で、まさかの予選敗退。誰もが目を疑う惨敗だった。
どう立て直し、再び上昇に転じさせるのか。去年に続き、私たちはチームにカメラを向けた。
日本代表を率いて2シーズン目の世界的名将ロラン・ティリに復活のカギを問うと、こう断言した。「歴史的に見ても、日本は世界に先駆けて高度なディフェンス技術を発展させてきた。だからこそ、守備で強みを発揮しなければならない」。
守りの象徴・リベロの山本と小川は、名前も2人とも"智大"。練習中、揃ってとにかく声を出す。山本は言う。「失点したら取り返しがつかない、取り返せる部分が少ないというのがリベロ。折れそうな時でも、リベロ1人だけでもチームを支えるという気持ちが大事」。
休養期間を経て1年ぶりに代表に復帰した西田有志は、「オポジット」と呼ばれる攻撃的なポジション。だが、全体練習前に我々が目撃したのは、ティリとマンツーマンでレシーブ訓練に励む姿だった。「当たり前にしないといけないプレーだし、練習しないとできない。その意識は常にある」。
現状に人一倍の危機感を抱くのがエース・髙橋藍。好物の中華料理をほおばりながら語ったのは自らに芽生えた責任感についてだった。「アグレッシブにプレーして、チームを鼓舞していかないといけない。(石川)祐希さんだけに任せるのはダメだなって」。
調子は上向きだ。現在、熱戦が繰り広げられているネーションズリーグでは、世界ランク1位のポーランドや五輪2大会連続金メダルのフランスを次々と撃破。日本は唯一の8連勝という快進撃をみせている。
雪辱を期して。チームニッポン、それぞれの献身を追う。
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