情熱大陸

国際医療NGOジャパンハート Vol.1384

アジア小児医療センター

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12.21(日)

よる11:30

生きられる命を、生きられるように
“小児医療の砦” 開設までの記録

カンボジア・プノンペン近郊。10月31日、東南アジアでも例のない小児専門の無償の医療センターが開院した。病床数約200、周辺と比べても先進的な医療機器を整備し、日本人のボランティア医師たちが常駐する。全額を国内外からの寄付でまかないこの新病院を立ち上げたのは、国際医療NGOジャパンハートだ。「医療の届かないところに医療を届ける」という20年来の信念が結実した。創設者で医師の吉岡秀人は「世界のお手本になる病院」を目指すという。
ジャパンハートがこれまで運営してきた旧病院は小児50床。環境や設備に制約があり、スタッフが最善を尽くしても救えない小さな命があった。そこへ取材カメラが入ったのは新病院への移転9日前。小児がんという重篤な疾患を抱える子どもたちが、"引っ越し"に備えていた。1日1日が命に関わる彼らにとって、いかに安全に移れるかがカギとなる。
一方の新病院。建物は出来上がったが、いたるところにほころびがあった。届かない医療機器、雨漏り、普段と異なるオペレーションに言葉の壁。果たしてスムーズな受け入れはできるのか。
中心メンバー、小児科医・嘉数真理子は小児がんの専門家だ。8年前から小児がん病棟立ち上げに携わってきた。先進国では5年生存率80%と言われる小児がんだが、カンボジアでは十分な治療につながりにくい現状がある。「がんは難しい病気の象徴だが、他の病気の治療にも広げたい」。そんな嘉数が診るのは、小児がんの2歳の女の子。抗がん剤治療の効果を確認するが・・・
一から病院を立ち上げる医療スタッフたちの奮闘。そこから見えてきたのは、「生きられるはずの命を、生きられるように」というシンプルで力強い覚悟だった。

Japan Heart

医師・吉岡秀人が設立した国際医療NGO。国内外で小児がん手術などの高度医療を含む治療を年間約4万件実施。これまで途上国で行った治療総数は35万件以上。
アジア小児医療センター(2025年10月開設)
ジャパンハートが東南アジアに開設した初の小児専門病院。小児がんをはじめ重い病を抱える子どもたちを受け入れ、現地医療者の育成とともに、継続的な治療体制を目指す。建設費及び運営費はすべて国内外からの寄付で賄われる。

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