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2026年03月15日(日) 放送分

赤星隆幸眼科医
Vol.1395

わずか3分…白内障治療のF1レーサー
自ら開発した技術で世界に光を届ける

白内障手術専門の外科医、赤星隆幸の手術は驚きの連続だ。
世界最小とされる1.8ミリの傷口、点眼麻酔で痛みがなく、1滴の出血もない。独自に開発した手術器具を駆使し、通常片目ごとに少なくとも10分から20分かかるオペを、赤星はわずか3分で行う。1日50~60件、桁違いのスピードで執刀することから「白内障治療の F1 レーサー」の異名をとる。極小切開ゆえ自然に傷口が閉じ、縫合による乱視も起きないという。
白内障は、レンズの役割を担う透明な水晶体が、加齢に伴い石のように硬く濁ってしまう疾患だ。50代で半数が、80代ではほぼ100%発症するといわれ、治療が遅れると失明に至るケースもある。
かつては、全身麻酔で1か月の入院が当たり前とされた。その時代に赤星は、革新的な術式「フェイコ・プレチョップ法」を世界に提唱、日帰り手術を日本で初めて実践した白内障治療のパイオニアだ。その技術を頼り、政財界の要人や海外のVIPも治療に訪れる。
信念は、「医療が遅れた国でも、先進国と変わらぬ治療を」。自費で海外に飛んでは、治療するだけでなく世界中のドクターの指導にもあたってきた。これまで各国で24万の瞳に光を届けてきた。
今回、赤星は海外68か国目となるブータンへ。「幸せの国」も医療環境は乏しく、眼科医は18人しかいない。日本で40年前に行われた古い手術がいまだに行われているという。病院に向かうと100人をこえる長い列が。中には、重度の症状もあった。
「見えることは、人生を実りあるものに変える」。フロントランナーの熱い眼差しがそこにある。

PROFILE

1957年、神奈川県横須賀市生まれ。幼いころから眼科医に憧れ、1976年、自治医科大学入学、眼組織の基礎研究に明け暮れる。卒業後、研修医をへて東京大学医学部眼科学教室に入局。東京女子医科大学糖尿病センターで治療を行う傍ら、武蔵野赤十字病院で超音波による白内障手術を学ぶ。1992年、三井記念病院眼科部長就任、術時間を大幅に短縮する「フェイコ・プレチョップ法」を考案し、術式に関わるすべての器具を発明し自力で開発。1996年、アメリカで日本人初の公開手術を行う。2013年、2ミリ以下の創口からすべてを処置する「極小角膜切開超音波白内障手術」を世界に先駆けて成功。日本橋白内障クリニック開院。2015年、年間1万398件もの手術を行い、ギネスブックに世界記録を申請。2017年、白内障治療で国際的に貢献した眼科医として顕彰されるケルマン賞を、日本人で初めて受賞。

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