情熱大陸

俳優 Vol.1370

遠藤憲一

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09.21(日)

よる11:00

「演じるだけで終わりたくない」
“コワモテ”俳優が温めてきた意外な夢

遠藤憲一のことを、事務所の社長でもある妻はこう評する。「平和主義の小学生みたい」。
コワモテ。だけど笑うと一転、チャーミング。誰もが知るバイプレイヤーは、演技の幅の広さと存在感の奥行きの深さとで、ドラマや映画だけでなく最近ではバラエティ番組からも声がかかる。
その多種多彩な仕事ぶりには驚かされる。雑誌のグラビア、映画の予告ナレーション、SNSで配信するアドリブだらけのショートドラマ...。「意外と器用なんですね」と問えば、「いっぱいいっぱい。不器用なのは見てわかるでしょ」と苦笑いする。
2025年3月、密着取材を依頼すると「撮ってもらいたいことがある」と言われ、「勉強部屋」と呼ぶマンションの一室に招かれた。そこで遠藤は、誰に頼まれたわけではないが、「連続ドラマ」の脚本を書いていた。何かに追い立てられるかのように...。
「1日がどんどん過ぎちゃうからね。もう6月で64歳になるから」
書いているのは〈ホームドラマ・サスペンス〉。もう7年もかけているという。なぜ俳優が、脚本にのめり込んでいるのか?そこには遠藤のものづくりへの想いがあった。

「勉強部屋」に設置した定点カメラは、俳優として準備を整えるための、厳格だけど思わず笑ってしまう遠藤のルーティンも捉えていた。キャリア45年でも、人前で演じることにはいまだに極度の緊張を感じるらしい。セリフ覚えが悪いというハンデを抱えている、とも自認する。「俳優の仕事は好きだけど、実はすごく心が乱れるから苦しい」と本音を漏らした。
そして、コツコツと書き進めてきた連ドラの台本ができ上がった。満を持して旧知の辣腕プロデューサーに売り込みに行く遠藤に同行した。

Kenichi Endo

1961年東京生まれ。22歳で時代劇「壬生の恋歌」でドラマデビュー。以降、眼光鋭く“コワモテ”な見た目から悪役を演じることが多かった。
2009年『湯けむりスナイパー』で初主演。翌年、朝ドラ『てっぱん』出演をきっかけに役柄の幅が広がる。
近作に『劇場版ドクターX FINAL('24)』『民王R('24)』『大追跡~警視庁SSBC強行犯係~('25)』など。異色の料理番組『きっちりおじさんのてんやわんやクッキング』にレギュラー出演中。映画『見はらし世代』も公開を控える。

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