情熱大陸

串かつ料理人 Vol.1389

長谷川勤

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01.25(日)

よる11:15

何本食べても もたれない!
庶民の味に革命起こす“一本気”

ソースは「二度付け禁止」がお約束。なにわのソウルフード・串かつは、働く人たちのお腹を安く満たせるようにと大阪・新世界で生まれた。だから、「厚い衣の中の小さな肉」が原点とされる。長谷川勤は、そんな串かつに新しい風を起こした。庶民の味を"芸術"と称される域まで引き上げ、ミシュランの星まで獲得した。
店は兵庫・芦屋の住宅街に。「ネタ」はえびや牛肉、玉ねぎなど定番から変わり種のハマグリ、稚鮎やハモ、シラウオまで。ひと串頬張ると、お客の表情には驚きと喜びが広がる。口に入れたとたん衣が消えてなくなるような感覚。後に残る、ネタが本来持っている旨味。独自ブレンドのソースの数々がその味をさらに引き立てる。全てが合わさったとき、串かつの概念が変わる。
秘訣はこだわり抜いた衣と油、そして揚げ方。だが、最初から串かつの店を始めようと考えていたわけではなかった。中学卒業後から料亭で修業。独立を考えた際にたまたま紹介されたのが、串かつ店の居抜き物件だった。「何かのご縁」と、日本料理のエッセンスで新たな串かつを模索する旅が始まった。
大切な縁はほかにも。今月74歳になった長谷川を支えるのは、料理長の中村剛だ。22年前、長谷川の串かつを初めて口にしたその場で「働かせてほしい」と頼み込んだ。以来、長谷川が衣をつけ中村が揚げる、という二人三脚が続いている。
予約困難店に育て上げた長谷川の人生に転機が訪れたのは去年春。咳が止まらなくなり診察を受けると、思いのほか重い病気だった。一時、店を休んで治療に専念。それでも串かつへの思いは断ちがたく、再び厨房に立つまでになった。
「お客さんに喜んでいただいて、笑顔をいっぱいいただいて。そのためになら僕はできる限りがんばります」そう言ってピースサインをする姿は職人のイメージを覆す。ひと串ひと串に人生を捧げる男の、真っ直ぐな串かつ道。

Tsutomu Hasegawa

1952年島根県生まれ。兵庫県尼崎市で育つ。
中学卒業後、料亭に見習いとして入り料理の道へ。
様々な店で修業したのち、40歳で「串かつあーぼん」を開店。
2011年から6年連続でミシュラン一つ星を獲得。
今では予約を開放する初日に2か月先まで埋まってしまう。
趣味は日本刀の蒐集とヨット。

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