情熱大陸

メジャーリーガー Vol.1393

菊池雄星

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03.01(日)

よる11:00

侍ジャパンの“オールドルーキー”
「世界一健康な投手」の挑戦哲学

球速は、34歳にして最速159キロを誇る。菊池雄星はメジャーの強豪4チームを渡り歩き、現在のエンゼルスとは年俸30億円の契約を結ぶなど日本を代表する投手に成長した。だが、意外なことにWBCには今年の大会が初参戦となる。
これまで幾度も要請はあったが、辞退してきた。根本にあるのが「世界一健康なピッチャー」として所属チームを支えるという哲学だ。投手の価値は勝ち負けの数ではなく、どれだけマウンドに立ち続けられるかが基準だという。実際、メジャーでの7年間、菊池は一度も大きな故障をすることなく、マウンドを守り抜いてきた。
「野球は冬のスポーツ」が信条。シーズンオフの過ごし方で選手の真価が決まると考えるからだ。そのため故郷・岩手にトレーニング施設もプロデュースした。このオフは菊池を慕うメジャーの日本人投手や期待の若手などと共に自主トレを行ったが、彼らもついて来られないほど過酷な鍛錬で自らをいじめぬく姿がそこにあった。「50歳まで現役を続け、息子とともにプレーすること」が密かな目標だ。
普段は無口な印象があるが、今回の取材では息子や妻との"素顔の日々"もカメラに見せた。妻・瑠美さんは、トレーニングに全財産を注ぎ込み貯金ゼロの状態で結婚してまで、"野球バカ"の菊池を支えてきた。6歳の息子には野球に興味を持ってもらいたいが、本人はバレーボールに夢中。だからこそ「日の丸を背負って戦うパパ」の姿をどうしても見せたい。
幼いころから体が小さく技術も足りなかったため、世代ごとの日本代表になった経験はない。天から何かを授かったような存在ではない、と自覚している。だからこそ体を鍛え、技術を磨くだけでなく、「野球とは何か」を突き詰めてきた。その哲学は13万字にも及ぶ自著にまとめた。
満を持して世界に挑むための、特別な冬。全身の汗が覚悟を物語っていた。

Yusei Kikuchi

1991年6月17日生まれ 岩手県出身。
花巻東高校のエースとして、3年夏の甲子園で左腕歴代最速の154キロをマーク。
2009年のドラフトでは6球団競合の上、西武に入団。
2017年に最多勝、最優秀防御率の投手2冠に輝くと、2018年オフに念願のMLB移籍を果たした。
メジャーではこれまで4球団を渡り歩き、7年目の去年は自己最多の33試合に先発。
日本が連覇を目指す今年3月のWBCで、34歳にして初めて侍ジャパンに選出された。

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