情熱大陸

フィギュアスケーター Vol.1294

三浦璃来・
木原龍一

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03.31(日)

よる11:00

世界の大舞台へ、再び
最強ペアが復活を遂げたワケ

二人を見ているだけでこちらが微笑んでしまう。三浦璃来と木原龍一の「りくりゅうペア」にはそんな魅力がある。
22歳の三浦と、9歳年上の木原がペアを結成したのは2019年。わずか4年で世界チャンピオンまで上りつめ、国際スケート連盟の主要国際大会をすべて制して日本初の「年間グランドスラム」を成し遂げた。
ところが昨年10月、日本ペア初の世界選手権連覇への期待が高まる中、二人にまさかの事態が起こった...。
夏ごろから違和感があった木原の腰が悲鳴を上げたのだ。昨年10月「腰椎分離症」と診断され、グランプリシリーズや全日本選手権など前半の主要大会を欠場。ひたすらリハビリに励む日々が続いた。氷上に立てるようになってもジャンプは1回転を1日3回までに制限されたこともあった。
焦りが出てきてもおかしくはない。だが、「自分たちの体やスケートを見直すチャンス。一人だったら押しつぶされるかもしれないけれど、璃来ちゃんがいてくれたので助けられました」と木原は笑顔を見せた。
心が折れそうになる時、隣にはいつもパートナーの三浦がいた。冗談で笑わせたかと思えば、的を射た言葉で木原の背中を押す。危険が伴うペア競技において信頼関係が第一。技術だけでなく心の「絆」が二人をさらに強くしていく。会うたびに取材する我々のほうが勇気づけられた。
木原は言う。
「僕たちは二人で一つじゃないと成り立たない」

最大のピンチを乗り越えさらに強くなった二人。今月、シーズン最後の大舞台・世界選手権へ挑む。

Riku-Ryu pair

三浦璃来
2001年12月17日 兵庫県宝塚市出身 22歳
所属:木下グループ (中京大学スポーツ科学部に在籍中)
ディズニーアニメを見たことがきっかけで、5歳でスケートを始める。
シングル選手だったが、ペア競技のアクロバティックで「非日常的」な動きが楽しくて、14歳でペア競技に専念。三浦が、前パートナーとペアを解消した木原に打診したことがきっかけで2019年ペアを結成した。

木原龍一
1992年8月22日 愛知県東海市出身 31歳
所属:木下グループ
シングル選手として活躍し、学生時代は全日本ジュニア選手権2位、世界ジュニア選手権代表などの実績を持つ。団体戦が正式種目になったソチ五輪に向けペア・カップル競技の育成・強化に乗り出した日本スケート連盟の後押しで、2013年ペアに転向。2014年ソチ五輪、2018年平昌五輪に出場。三浦璃来は3人目のパートナーで2019年夏からコンビを組み、北京冬季五輪では日本初の団体戦銀メダル獲得にも貢献した。

三浦璃来・木原龍一ペア 主な国際大会の戦績
2019年8月 三浦璃来・木原龍一ペア結成 
2022年2月 北京冬季五輪 ペア7位/団体戦2位
2022年3月 世界選手権 2位 
2022年12月 グランプリファイナル 優勝
2023年1月 四大陸選手権 優勝
2023年3月 世界選手権 優勝

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