情熱大陸

動物言語研究者 Vol.1381

鈴木俊貴

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12.07(日)

よる11:00

仲間はずれなのは人間だけ!?
鳥の言葉を解き明かす若き科学者

「僕には鳥の言葉がわかる」。
一瞬耳を疑うようなタイトルの本が異例の売れ行きを見せている。著者は東京大学准教授の鈴木俊貴。専門は、動物どうしが話す言葉の研究だ。
鈴木は、鳥(シジュウカラ)の鳴き声には一つひとつ意味があり、かれらは「会話しているのだ」ということを世界で初めて証明した。その論文の数々は、海外の科学専門誌からも絶大な評価を受ける。
拠点は長野・軽井沢。森の中に分け入り、観察に明け暮れる。そこで交わされるシジュウカラの様々な会話を、鈴木は教えてくれた。「ヂヂヂ」は"集まれ"。「ジャージャー」は"ヘビが来た、気をつけろ"。
「言葉を持つのは人間だけ」とアリストテレスは言い、ダーウィンは「動物の鳴き声は感情の表出であり、意味をなさない」とまで。けれど鈴木は、その固定観念を、熱心な観察と膨大なデータで覆してみせたのだ。
「シジュウカラは僕の想像以上のことをやってくる。だからワクワクする」。
その視線に共感する異業種の知己も多い。「鈴木さんは世の中で言われることを簡単に信じない。信じられていないことを証明するプロセスがすごい」と賛辞を送るのは、料理研究家でバードウォッチング仲間の土井善晴。野鳥観察を楽しんだ2人は、つがいのシジュウカラがジェスチャーでコミュニケーションをとる姿にも遭遇する。
取材中、また新しいことを見つけた。どうやら親鳥が、ヒナに「言葉」を教えているらしい。論文発表に向け、これからデータを積み重ねていくという。
一連の研究は、人間の言葉の起源や進化のプロセスを解き明かすことにも繋がると鈴木は言う。野鳥への並外れた愛情がもたらす発見の連続。その日々はユニークで、とにかく熱い。

Toshitaka Suzuki

1983年、東京生まれ。
幼いころから虫や魚を捕まえては観察、発見したことを図鑑に書き足していた。
鳥への興味は高校の生物部時代から。野生の小鳥が喧嘩をしたり求愛をしたり…自分もかれらの世界に入っていくような不思議な感覚に魅了された。
以来、軽井沢をフィールドに研究。それまで人間だけだと考えられていた言語能力がシジュウカラにもあることを発見した。
京都大学を経て、2023年から東京大学へ。新学問「動物言語学」を創設した。
権威ある動物行動研究協会(イギリス)が授与するティンバーゲン・レクチャー賞をアジア人として初めて受賞する。
初の単著「僕には鳥の言葉がわかる」(小学館)は20万部を超え、数々の賞を受賞。

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