小林久隆

がん治療研究者 Vol.1230

202212.11
11:10

がん治療の選択肢を増やしたい!
世界初「光免疫療法」開発者の奮闘

これまでにない方法によるがんの治療法を開発した日本人がいる。医師・小林久隆(61歳)。ノーベル賞受賞者が160人も輩出しているアメリカ国立衛生研究所(NIH)に研究室を持つ。

がん治療には主に『手術』、『放射線』、『抗がん剤』が用いられる。ここに第4の治療法として小林が開発したのが『光免疫療法』だ。人体に無害な近赤外光を使い、がん細胞のみを破壊してしまうというもので、これまで手術できなかったような症例にも対応することができると期待され、世界に先駆け日本で臨床での治療が始まっている。

助けることができず目の前で命を落とす患者を目の当たりにし、なんとか新しい治療法を開発したいと小林がアメリカ国立衛生研究所へ留学を決めたのが34歳。最初は、がんを光らせて画像化する研究を行っていたが、何千通りも地道な研究を進める中で、光を吸収する物質を使ってがん細胞が破壊されることを発見。近赤外光線を照射してがん細胞だけを破壊するという研究を重ね、現在の治療法の開発に成功した。

小林は言う「30年この研究を続けてき、やっとスタートラインに立てた」。

まだ特定のがんにしか適用できないなど発展途上の光免疫療法。番組では、がん細胞を破壊するメカニズムのさらなる研究や新しい治療機器の開発など、アメリカと日本を行き来しながら一人でも多くのがん患者を救いたいと尽力する小林の多忙な日々を追った。

HISATAKA KOBAYASHI

1961年9月13日 兵庫県西宮市生まれ
京都大学医学部卒
アメリカ国立衛生研究所 テニュア主任研究員(終身研究員)
専門は、がんの新しい画像診断方法と「光免疫療法」の開発
2012年 オバマ大統領の一般教書演説で研究成果を紹介され、2014年にNIH長官賞を
受賞
2021年2月 「光免疫療法」の日本で保険適用始まる
2022年4月 関西医科大学光免疫医学研究所長就任。日本における研究拠点とし、病理、新薬開発を進め、新たながん治療の開発を進める

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