「やらない後悔より、やる後悔」を
静かな“エース”が異国で選んだ挑戦
女子アイスホッケー日本代表にあって、周囲からエースと呼ばれることが増えた。期待されるのは、何よりも得点だ。
だが本人は言う。「自分自身はエースになりきれていない。まだ悩む部分も多いけど、エースだと胸を張れる選手になりたい」
感情を表に出すタイプではない。プレーも飄々、淡々としているように見える。しかしその静けさの奥には、誰よりも熱い闘志がある。
所属チームは、スウェーデン北部ルーレオの名門、Luleå Hockey/MSSK(ルーレオ・ホッケー)。冬は時に氷点下20度、12月下旬は朝10時ごろに日が昇り、昼の1時すぎには日が沈む。この過酷な環境で、自分の価値を問い続けている。
氷上の格闘技。激しくぶつかり合い、一触即発の密集にも躊躇なく向かっていく。そんな姿について尋ねても、「まぁ、普通だと思います...」。多くを語らず、その背中とプレーでチームを前へ押し出していく。
競技を始めたのは6歳。一つ上の姉で同じく日本代表の葵とともに、父に連れて行かれたリンクが始まりだった。中学2年で日本代表の選手選抜合宿に飛び級招集されるなど、早くから頭角を現す。2022年の北京大会に続き、今年のミラノ・コルティナオリンピックにも出場した。決勝トーナメント進出が目標だったが、結果は予選敗退。それでも、「思い通りの結果にはならなかった。だけど、自分としては成長したところも発見できた」と前を向く。そして、息つく間もなくスウェーデンへ戻った。
取材中に、苦手なことを聞いてみた。苦笑いを浮かべながら「人前で喋ることです...」
スマイルジャパンを背負う若きエースの、極北の地での闘いを追った。
Akane Shiga
2001年、北海道帯広市生まれ。6歳ごろ、小学校1年生で姉・葵(MoDo Hockey・日本代表)とともにアイスホッケーを始める。中学進学と同時に帯広レディースに所属し、14歳で女子日本代表に初選出。2022年の北京五輪では2得点を挙げ、日本の6位入賞に貢献した。北海道文教大学を経てデンソー北海道に所属。2023-24シーズンはPWHLオタワでプレーし、日本生まれの選手として初めてPWHLでポイントを記録した。2024年からはスウェーデンSDHLのLuleå HF/MSSKに活躍の場を移し、ミラノ・コルティナ2026にも出場。日本女子アイスホッケー界を担う存在として、世界の舞台で戦い続けている。
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