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2025年09月28日(日) 放送分

椛島健治皮膚科医
Vol.1371

かゆみ、老化、アレルギー…
奥深き皮膚のナゾを解き明かす!

「皮膚は人体最大の臓器であり、最前線のセンサーだ」
皮膚のことになると、椛島健治の語り口はめっぽう熱くなる。

京都大学医学研究科皮膚科学教室、通称"椛島研"。アトピー性皮膚炎や皮膚がんなど、皮膚にまつわる様々な臨床と研究が進む。
外界と体内をつなぐ境界である皮膚。誰にとっても身近な存在だが、病気の兆候や老化のメカニズムなど、人の生活や健康にとって重要なカギがたくさん潜んでいることはあまり知られていない。
椛島は教授となった今も診察の現場に立ち、全国から紹介を受けてやってくる患者と向き合う。研究室のメンバーが集うカンファレンスでは、異なる症状に適したアプローチ方法を日々、試行錯誤する。
こうした探究心が新薬の開発にもつながった。かゆみと一口に言っても、100以上の因子がある。椛島はそのうちの一つであるたんぱく質に目を付け、ピンポイントで効果のある薬を開発、世界的な評価を得た。番組では、この薬がアトピー性皮膚炎などの症状に長年悩んでいた子どもの治療に活かされる瞬間に立ち会う。
「疑ってみて、初めてわかる」。その面白さに取りつかれているという。
そんな椛島がいま力を入れているのが、画像解析による皮膚内部の可視化。生きたマウスの皮膚の中をリアルタイムで観察しようというのだが...。

椛島は、走ることを欠かさない。大学への通勤も、海外出張先でも、時には山の中をもトレイルランで走破する。「サブ3」(3時間以内で完走)の記録も持ち、マラソン仲間にはあの山中伸弥氏。山中氏は椛島を「なんでもできちゃうスーパーマン」と評する。
「10キロ以内の移動はだいたい走る」という55歳は、皮膚が発する未知のメッセージを今日も追いかける。

PROFILE

1970年岐阜県生まれ、北九州育ち。京都大学医学部卒、医学博士。
米国での研修医、産業医科大で准教授を経て、現在、京都大学の皮膚科学教室教授として、アトピー性皮膚炎やアレルギーの研究で国際的評価を受ける。世界初の創薬にも関わり、日本皮膚科学会賞、日本学術振興会賞、文部科学大臣賞、今年も国際的な皮膚学会での最高賞を受賞。シンガポールの研究機関でも主任研究員を兼務。
著書に『人体最強の臓器 皮膚のふしぎ』(講談社)。
研究だけでなく、臨床医としても診療を続ける。
マラソンに打ち込み、トレイルランでは40時間で170kmのアルプスを走破した。

STAFF
演出:下口谷充
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:倉本圭太・葛原圭人
音効:早船麻希
制作協力:テレビマンユニオン
プロデューサー:沖倫太朗・渡邉美幸

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