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2024年01月28日(日) 放送分

小泉智貴ファッションデザイナー
Vol.1285

僕にしかできない未来のドレスを!
世界を魅了するフリルに込めた思い

宇多田ヒカルやレディー・ガガなどの舞台衣装から、MISIAが東京2020オリンピック開会式の国歌斉唱時に着ていたドレス、さらに鍵山優真などフィギュアスケーターのコスチュームまで。
一度見たら忘れられないド派手でカラフルなフリルドレスは、言語や文化を超えた説得力を持っている。手掛けたのはいずれも、ファッションデザイナー小泉智貴だ。
「未来のドレスを作りたい」が口癖の小泉だが、そのスタイルは独学で磨かれたもの。ファッションを専門的に勉強したことはなく、常に研究し制作を繰り返す泥臭い過程から築き上げられた。
拠点は小さな工房。つくる衣装はすべて手縫いのため、同じものは二つと存在しない。ビジネスパートナーでもある妹と二人三脚で世界的な評価を得るまでになった。
そんな小泉に、グラミー賞を5度受賞したイギリスのシンガーソングライター、サム・スミスからオファーが。来日公演の際の衣装を作ってほしいという。
「彼のパーソナルを活かすには?」悩んだあげく、17色からなるカラフル衣装を制作することに。果たしてサム・スミスはどんな反応を見せるのかー

飛ぶ鳥を落とす勢いの小泉だが、カメラに打ち明けたある思いがある。
「ファッションに対する価値観を変えたい」。衣装や服といったものが、ただ製品として消費され続ける現状に対し疑問や憤りを感じているという。
そこで、長く鑑賞されるファッションを目指し、自身初となる個展を開催。いわば"一生もののアート"として見てもらえる作品作りに取り組んだ。
並々ならぬ探求心とファッションへの狂気を秘める35歳の挑戦を見つめた。

PROFILE

1988年、千葉県生まれ。
14歳の時、イギリスのファッションデザイナー、ジョン・ガリアーノが手がける衣装を見て衝撃を受け、独学で服の製作をスタート。
2011年、千葉大学在学中に自身のブランド「TOMO KOIZUMI」設立。
2015年、レディー・ガガが来日時にドレスを着用し、国内外で大きな話題を呼ぶ。
2019年、自身初のファションショーをNYで敢行。一気に知名度が広がり、世界中からオファーが舞い込むように。
2021年、東京2020オリンピック開会式にて国歌斉唱の衣装を担当。
2023年、ドルチェ&ガッバーナの支援を受け、2023-24年 秋冬ミラノファッションウィークでコレクションを発表。自身初のミラノコレクション参加となる。

【主な受賞歴】
2019年、毎日ファッション大賞選考委員特別賞受賞、BoF500選出
2020年、LVMHプライズ優勝者の1人に選出
2021年、毎日ファッション大賞の大賞を受賞

STAFF
演出:牧野哲
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:西條沢栄
音効:中嶋尊史
編集:福江臣朗
制作協力:TBSスパークル
プロデューサー:沖倫太朗・平野晃司

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