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2023年12月24日(日) 放送分

篠崎恵美フラワークリエイター
Vol.1281

「世界を花で満たしたい」
花の命を無駄にしない慈しみの創作

あなたの日常の一コマにも、篠崎の手掛けた花は存在している。
そう思えるほど雑誌や広告、数々のアーティストのジャケットやMV、店内装飾など様々な場面で彼女が命を吹き込んだ花が光る。まさに今を時めくフラワークリエイターだ。
自然に咲く花畑のような表現が評価されるが、花の知識や作品づくりは独学だ。
花をできるだけ捨てないことを信条とし、インスタレーションでは、花々が枯れるまでを一連で見せることで生命の移ろいを表現、最後は観客にドライフラワーを配って完結させるなど、芸術性と持続可能性を併せもつ。
初めて会った印象は、少女の面影を残す女性。スタッフと交わすたわいない会話や移動中の車内で「イントロドン」を楽しむ様子など、42歳とは思えないほど無邪気な素顔がそこにある。けれど、仕事に向かう彼女はたくましい。
9月には老舗宝飾品ブランドのパーティで装花を担当。会場の3ブースを花で彩った。「花は自分の気持ちにこたえてくれる」と考える篠崎は、どんな現場でも笑顔を絶やさない。
アートワークとして、紙で作った花も制作。京都で開いた日本初の個展では、200年以上の歴史を誇るお茶屋で紙の花を活けるという大きな挑戦が待っていた。
そして、今年を締めくくる大仕事が地元栃木の図書館での巨大な花のインスタレーション。6,000本以上もの花をひとつひとつ手作業で結び付けていくという途方もない作品は、観る者をどんな世界にいざなうのか。
取材を重ねるごとに見えてきたのは、「世界を花で満たしたい」という熱い思いとそれを実現していく"根性"。自ら道を切り開いてきた篠崎の、夏から冬にかけての奮闘の日々を追った。

PROFILE

1981年生まれ、栃木・宇都宮出身。
ファッションの道に進むが、偶然通りかかったフラワーショップとの出会いをきっかけに独学で今の世界へ。
2009年に独立し、その後花のクリエイティブスタジオedenworksを立ち上げる。
2015年オープンのフラワーショップ「edenworks bedroom」など都内で3店舗を経営。
その傍ら、店内装飾からウィンドウ装花、雑誌、広告、CM、MVなど花にまつわる活動の幅は広く、数多くのアーティストや有名ブランドとコラボ。
2017年、ミラノで紙の花プロジェクト「PAPER EDEN」を発表するなどアーティストとしても活動。

<主な作品>
2013年 Chara「やさしい気持ち」MVでフラワーアートを担当
2018年 紅白歌合戦で米津玄師の舞台で傘のオブジェを制作
2021年 映画「竜とそばかすの姫」で主人公の花のドレスをデザイン
2022年 舞台「千と千尋の神隠し」のポスターの花のセット

STAFF
演出:鈴木凜
構成:茂原雄二
ナレーター:窪田等
撮影:宮川公一郎・河西知明
音効:井田栄司
編集:高木規宏
制作協力:スローハンド
プロデューサー:沖倫太朗・伊豆田知子

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