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東京湾水先人会
超過密!港の安全運航の“番人”
「人命と物資を守る」ひと夏の奮闘
かつてない物価高が私たちの暮らしを圧迫している。
日本では、生活物資をはじめ、石油や天然ガスなどエネルギー資源の多くを海外に頼るが、輸出入の実に99%以上は船舶による海運で運ばれている。
とりわけ東京湾は、世界からの貨物船などが殺到する超過密海域。
しかも入り組んだ地形に加え平均水深15mと、世界屈指の難水域と言っていい。
この海上交通の要衝を、24時間365日休むことなく守り続けているのが「水先人」たちだ。彼らは湾内に入る船に乗り込み、船長を助けて安全な操船を行う湾内のスペシャリスト。カメラは彼らの仕事ぶりと彼らを支える裏方たちを見つめた。
水先人をサポートするのが、"海の警察"と呼ばれる海上保安庁の「東京湾海上交通センター(通称:東京マーチス)」だ。東京湾内のすべての船舶をモニターし、スケジュールどおりの運航を目指す彼らは、なくてはならないパートナー。
夏場は試練の季節だ。この時期に関東を直撃する台風が脅威となる。待ったを許されないのが海の世界。時化での航行は衝突事故など事故につながる可能性があり、避けるのがセオリーだが、遅延はスケジュールの大幅な変更となる。
運航を途切れさせずに、危険を回避しながらどう安全を守るのか...
私たちの暮らしを守る、知られざる現場が明かされる。
PROFILE
正式名称は東京湾水先区水先人会。
1906年7月。水先法公布を受け、前身となる東京湾水先人組合が誕生。
1974年11月9日に発生した、タンカー船と貨物船の衝突事故により、33人の乗組員の犠牲者を出した。史上最悪の事故の教訓を受け、東京湾全域に、1万トン以上の船舶の入港出湾に水先人の乗船を義務付ける「強制水先制度」が導入される。
現在、全国に水先人は650人あまり、東京湾に150人以上を数える。2007年4月、船長経験者にのみ開かれていた水先人への道が、船長経験がなくとも水先人になれるように。現在、女性の水先人は東京湾を含め全国に13人を数える。
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:井手口大騎ダグラス・小寺安貴・池田健
音効:増子彰
編集:宮島亜紀
制作協力:ドキュメンタリージャパン
プロデューサー:沖倫太朗・二宮寛子・新津総子
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