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2023年07月02日(日) 放送分

安達祐実俳優
Vol.1258

酸いも甘いも噛み分けて・・・
かつての天才子役の成熟とこれから

彼女の名を知らぬ者はいないと言ってもいいだろう。
きっかけはもう30年ほど前になる。最高視聴率が30%を超えたドラマ「家なき子」で、安達が演じた主人公の少女の決め台詞「同情するなら金をくれ」は、ドラマの世界を飛び越え社会に強烈な印象を残した。

その彼女がいま、再び注目されている。

子役当時と変わらぬ容貌で、美容雑誌がモデルとして数多く起用。また、フォロワー数114万人(2023年6月現在)を誇る自身のInstagramでは、誰もが目を惹くファッションや飾らない日常の様子を投稿し、同年代ばかりではなく年若い女性たちからも絶大な人気を博している。
もちろん、本業である俳優としては映画やドラマ、舞台など、メインから脇まで幅広い役をこなし、"新たな安達祐実"を世間に披露し続けている。

ここまでの道のりは平たんではなかった。
安達は、「家なき子」の後は何をしてもそのイメージが付きまとい、仕事のない時期が長く続いた。「自分に価値を見出せなくなった」と当時を振り返る。
激動の子役時代を経て、その後、結婚―出産―離婚―再婚と、プライベートの動向も広く世間の耳目を集めるなど、常に好奇の目にさらされる日々を生きてきた。

そんな彼女は、2021年には30年間所属した事務所から独立。心機一転、ドラマや映画など、撮影に忙しい日々を送る。今年5月には、10年ぶりとなる主演舞台に挑戦。普段は感情を表に出さない安達だが、舞台の上では感情を全開にした芝居で観る者の心を掴み、俳優としての進化を見せつけた。

取材初日、彼女は言った。「せっかくだから私のことを知ってもらいたい」。
41歳にして、今年で芸歴40年。彼女は何を求め、どこへ向かうのか。
安達祐実の"今"を見つめる。

PROFILE

1981年9月14日生まれ、東京出身。
2歳から芸能活動を始め、雑誌モデルとしてデビュー。
1991年、ハウス食品のCMで一躍話題となる。
1993年、映画デビュー作「REX恐竜物語」で主演を務め、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。
1994年、ドラマ「家なき子」でブレイク。
劇中の台詞「同情するならカネをくれ」は流行語大賞に選ばれた。
20代は子役のイメージが強く、仕事がない日々を送る。
2014年、「子役のイメージを完全に壊そう」と「家なき子 劇場版」以来、20年ぶりの映画主演「花宵道中」で初の花魁役とヌードに挑戦。再注目されるきっかけとなった。
2020年に「捨ててよ、安達さん。」で10年ぶりのドラマ主演、2022年には「カムカムエヴリバディ」で26年ぶりの朝ドラに出演。
今年、「綿子はもつれる」で10年ぶりの主演舞台を務めた。

STAFF
演出:萩森延子
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:桜田仁・井手口大騎ダグラス・高橋秀典
音効:石﨑野乃
編集:重乃康紀
制作協力:トリプルレーンズ
プロデューサー:沖倫太朗・髙木宏

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