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2023年04月09日(日) 放送分

和田毅プロ野球選手
Vol.1246

放送25年 特別シリーズ「不屈」
現役唯一の松坂世代 42歳まだ走る

福岡ソフトバンクホークス・和田毅は今年42歳を迎えた。
松坂大輔を筆頭に藤川球児・杉内俊哉・新垣渚など数多くの有力選手が肩を並べた、いわゆる「松坂世代」。その世代で唯一、いまも現役を続ける和田は、未だ衰え知らずの日本球界を代表する左腕だ。
情熱大陸は21年前、当時早稲田大学野球部のエースだった和田に密着していた。
そこにいたのは笑顔が印象的で純朴な青年。和田は江川卓が持っていた東京六大学の奪三振記録を更新し、一躍プロ注目の投手となった。高校まで平凡だった和田が、飛躍的な成長を遂げる礎となったのは、絶対的な練習量。「走り込み」だった。
プロ21年目を迎えた今年1月、和田は恒例の自主トレを行っていた。
そこには、リーグや年齢、実績もバラバラの10人の若手が、和田に教えを請おうと参加していた。いわば「和田塾」。そこでも和田は誰よりも走り込む。それは、若手が顔を引きつらせるほどの質と量だった。ある日は80メートルのシャトルランを10本、それを5分のインターバルを置いて3セット。また別の日は200メートルのダッシュを20本。長距離と短距離を組み合わせて強度と持久力を鍛える。ただ走るだけではなく、姿勢やフォームなど細かい部分を意識して続ける。昔もいまも、そうやってシーズンを戦う体をつくるのだ。
1年目に14勝を挙げ新人王に輝いた。日本で最多勝を2度獲得、31歳でメジャーに挑戦するなど日米通算155勝という成績は輝かしく映る。
しかし、和田のプロ野球人生は苦難の連続だった。度重なる肘や肩のケガに見舞われるなど、決して順風満帆ではない。だが和田は、立ち塞がる壁を必ず乗り越えて進化し続けてきた。今年の宮崎キャンプ中盤、左足を痛めるアクシデントに見舞われた。一時戦線離脱を余儀なくされたが、それでもリハビリ期間中に新しい変化球に挑戦することを決めた。
自分がどこまでできるのか。自分の可能性はどこまで広がるのか。42歳、成長のためにギリギリを攻め続ける。

PROFILE

1981年2月21日生まれ。島根県で育つ。
小学1年生から野球を始める。
島根県立浜田高校から早稲田大学に進学。
2002年自由獲得枠で福岡ダイエーホークスに入団。
2012年にメジャーリーグ挑戦。
第1回WBC、アテネ・北京五輪に出場。
新人王・最多勝に2度輝くなどプロ20年で日米通算155勝。
“松坂世代”で唯一の現役選手。

STAFF
演出:村田慎吾
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:倉本圭太
音効:中嶋尊史
編集:山村昌樹
制作協力:ビデオユニテ
プロデューサー:沖倫太朗・天野衛

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