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2023年03月19日(日) 放送分

齋藤ヒロスミ衣装デザイナー
Vol.1243

玩具箱をひっくり返して生まれたようなデザイン…
着る人を、さらに輝かせる 「魔法の衣装」

トップアーティストのステージ衣装から、映画や広告、国際的なイベントの服飾デザインまで手がけている、齋藤ヒロスミ。
面白い素材や、発想力豊かなデザインの衣装には、着る人の魅力をさらに輝かせる力が宿る。
これまで、浜崎あゆみや氷川きよし、渡辺直美、東京ゲゲゲイ、池田エライザなど様々なアーティストの衣装を手掛けてきた。アーティストたちは「そもそも齋藤の世界観が好き。イメージを伝えただけで、想像以上のものが出来上がってくる」と厚い信頼寄せる。

齋藤のアトリエを訪ねると...そこは、おもちゃ箱をひっくり返したような秘密基地だった。ミシンや布、ビーズなどのパーツ、これまで作った衣装や製作中のものが、所狭しと置かれ、足の踏み場もない...「キレイな時もあるんですよ...でもちょっと忙しすぎて片付けられなくて...」と笑う齋藤は、常にいくつもの案件を抱え、いつも仕事に追われていた。本人曰く、「忙しい時ほど感覚が研ぎ澄まされていく」のだと言う。
相手が多忙な大物アーティストともなると、発注から納品まで短期間の注文もあり、たえず緊張感の中仕事が進んでいく。それにも動じず、時には色にこだわって、夜中に自分で布を染めたりと、頭の中にある「理想の衣装」をトコトン追求していた。

ファッションに目覚めたのは、高校生の時。元々人と話すのが苦手だった齋藤は、派手な服に身を包むことで、人とコミュニケーションが取れるようになったのだと言う。大学生の時には、誰もが振り返るようないでたちでクラブに通った。ときにパフォーマーとしてイベントに出演する中で、自ら衣装を作ったことが、この世界に入るきっかけ。

取材中、ファッション雑誌で、齋藤のこれまでの仕事を6ページに渡って特集する企画が決まった。さらに、そこに向けて新たに2体のドレスを作ることに。モデルは、今やファッションアイコンともなった渡辺直美。「いまの自分の集大成」と、齋藤は新しい素材の生地を全面に取り入れ、誰も見たことのないドレスの制作に挑む。一体、どんなドレスが生まれるのか...

PROFILE

1981年 神奈川県生まれ。
大学在学中からクラブでパフォーマーやキャンペンボーイとして様々なイベントに出演していく中、自身を引き立てるための衣装を独学で作るように。
それがダンサーやクラブに出入りする音楽関係者などの間で話題となる。
幼少期から習っている小原流生け花により培われた感性を活かし、現在は多くのアーティストや広告、イベントなどの衣装デザインを手がけている。
今も時々“着る側の気持ちを忘れない”ために、自分の衣装を着てパフォーマーとして舞台に立つこともある。

STAFF
演出:和田萌
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:佐藤洋祐・小寺安貴
音効:中嶋尊史
制作協力:ソユーズ
プロデューサー:沖倫太朗・岩井優介

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