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2022年06月19日(日) 放送分

OSRIN映像作家
Vol.1208

King Gnuのミュージックビデオが4億回再生超え!
“キモカワ映像”にこだわる31歳の美学

「キモいは褒め言葉!」

そう笑う31歳...彼の映像が爆発的なムーブメントとなったのは2019年だった。

今や4億回以上も再生されているKing Gnu「白日」のミュージックビデオを手がけた映像作家OSRIN。歌唱と演奏のみを柔らかなモノクロームで描き切った作品は、この年の最優秀ミュージックビデオにも輝いた。

King Gnuのメンバー常田大希も、インディーズ時代から18本もの作品を一緒に作ってきたOSRINに厚い信頼を寄せている。どこか不気味でスタイリッシュな世界観に定評があり、今ではOSRINにミュージックビデオを撮って欲しいというアーティストからの指名も多い。

普段は自由でマイペースだが、仕事ぶりはベテランのスタッフからも「昭和の男」と言われるほどストイック。映像は全て自分で編集している。20ものアングルで撮影されたカットを選びながら、24分の1秒単位で切り替えるタイミングにもこだわってきた。もの作りには一切の妥協を許さない性分のせいか、家で子どもが待つ父親でありながら週の半分を事務所で寝泊まりするような生活をもう何年も続けている。

徹夜作業の傍ら、照れながら語ってくれたのは、映像業界に入った頃のほろ苦い思い出。

大学を卒業後、仕事を探して上京した。24歳で結婚。親に猛反対されるほどギリギリの生活だった。でも、夢を諦めることだけは出来なかった。

「いつかヤバい人間になるから...」

自分を信じてついてきてくれた家族との約束は、売れっ子監督と呼ばれるようになったいまも、決して忘れてはいない。

今回、番組ではKing Gnuの「逆夢」、「カメレオン」の2本のミュージックビデオ制作のほか、アイドルグループ櫻坂46のジャケット撮影、俳優として新たなスタートを切った森田剛からの映画オファーなど、活動の幅を広げた半年間を取材。撮影現場では途中でカメラが壊れてしまうという初めてのトラブルにも遭遇した。「OSRINの現場が一番楽しい」と彼を慕って集まるスタッフは多い。

日々眠気と戦いながら、遊ぶように仕事に向き合う男の美学を追った。

PROFILE

1990年 東京で生まれ愛知で育つ。名古屋芸大在学中に、友人と始めた映像編集にのめり込む。
大学卒業後は東京の映像会社で働き、ドキュメンタリーや広告の制作に携わる。
2015年 King Gnu結成前の常田大希と出会い、クリエイティブレーベルPERIMETRONを立ち上げる。
初めて制作したミュージックビデオはKing Gnu「Tokyo Rendez-Vous」
現在ではKing Gnuの他にmillennium parede、Mr.Children、GLAYなど数々のアーティストのミュージックビデオやアートワーク作品を手がけている。

STAFF
演出:新田亮介
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:高橋秀典・松村敏行
音効:中嶋尊史
編集:金井隆輝
制作協力:えふぶんの壱
プロデューサー:中村卓也・上野光雪

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