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反田恭平ピアニストVol.1180
51年ぶりの快挙!ショパンコンクール2位
サムライ・ピアニストのこれから…
2021年10月21日早朝、「反田恭平2位入賞」のニュースが、日本中を駆け巡った。
5年に一度、ショパンの故郷であるポーランドの首都・ワルシャワで開催される『ショパン国際ピアノコンクール』。その入賞者にはアルゲリッチやブーニン、内田光子など、世界の名だたる音楽家が名を連ねる。
参加資格は16歳以上、30歳以下。27歳の反田にとっては最後のチャンスであった。
受賞前後の反田恭平をカメラは追った。3次予選で思う通りに演奏できず落ち込んでいた反田の元に、親友のピアニスト・務川慧悟がかけつけていた。二人は10代の時に同じ日本音楽コンクールで共に1位になって以来の仲。反田は務川にファイナルに向けての練習に付き合ってもらい、大舞台へと挑む。
日本では、「最もチケットの取れないピアニスト」と謳われ、不動の人気を誇る反田。ショパンコンクールへの出場は「傷がつく」と周囲から反対された。それでも出たかったのは、幼い頃からの夢であったことと、もっと自由に世界に羽ばたくためだった。
反田は体格改造や歴代の入賞者のデータ分析、さらにショパンの書いた手紙や研究書を読み漁った。4年前からはポーランド人からショパンを学びたいと、ワルシャワへ留学し、日本と行き来をしながらショパンの音楽に向き合った。ショパンコンクール期間中は、「人生で一番練習した」そうだ。これまでにない感情が渦巻き、ジェットコースターのような心理状態の中を、己の音楽を信じ突き進む。
世界への切符を手にした反田恭平は、これから一体どんな音楽家を目指すのか・・・?
PROFILE
1994年生まれ。AB型。
2021年第18回ショパン国際ピアノコンクールで日本では半世紀ぶりの第2位を受賞。
2016年のセンセーショナルなデビュー・リサイタル以降、毎年定期的にリサイタルやオーケストラとのツアーを全国で行なっている。2018年からは室内楽や自身が創設したジャパン・ナショナル・オーケストラのプロデュースも行っており、2021年5月にはオーケストラのための新会社を立ちあげ、奈良を拠点に世界にむけて活動を開始した。
2019年にはイープラスとの共同事業でレーベルを立ち上げ、2020年のコロナ禍ではいち早く有料のストリーミング配信を行うなど、クラシック音楽の普及にも力を入れている。
また海外での活動も増え、2020年1月にパリ、10月にはウィーン楽友協会でデビューを果たし現地の観客から称賛を得ている。若手の音楽家とファンの皆さんを繋ぐコミュニケーションの場となるような音楽サロン「Solistiade」も運営している。
2014年チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院を経てF.ショパン国立音楽大学(旧ワルシャワ音楽院)研究科に在籍。
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
制作協力:オルタスジャパン
プロデューサー:中村卓也・申 成皓
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