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Vol.1157
2021年06月06日(日) 放送分

渋谷直人[ フライフィッシャー ]

“自作竹竿”片手に初夏の渓流を行く

フライフィッシングのエキスパート・渋谷直人は秋田県湯沢市出身。奥羽山脈の沢と渓でヤマメやイワナを釣る技術を磨いた。カゲロウやカワゲラなどの水生昆虫を模したフライ(毛針)で、渓流魚を釣るフライフィッシングは、この釣り独特のフライラインをムチのように操る優雅なイメージで捉えている人も多い。しかし渋谷のスタイルは、「優雅」以上に「鋭さ」が勝る。「釣れた」を厭い、水面に見える魚だけを狙って確実に「釣る」。カメラはお手製のフライを使って、狙ったイワナやヤマメを百発百中で釣り上げる鮮やかな腕前を見届けた。
渋谷は竹竿も自作している。六本の割竹を断面が正三角形になるよう削って貼り合わせ、時間をかけて繰り返し漆を塗って仕上げる。丹念な仕事ぶりは、まさに職人そのもの。
彼の釣り竿はファンにとって羨望の的らしい。完成までに一ヶ月を要する美しい工芸品のようなフライロッドは、注文してから納品されるまで、3年待ちの人気を誇る。漆塗りは生まれ育った湯沢市川連町(かわつらちょう)の伝統産業で、高校卒業と同時に職人である父に師事し、技術を身につけた。ただ5月半ばから9月いっぱいは竿づくりをストップし、釣りの仕事に専念。秋田を中心とした東北の川で、魚を釣らせるガイド業に精を出す。竿は持たず、ひたすらゲストに細かくアドバイスをして釣らせる。他人の身体を借りて釣りをするような感覚で、自分で釣るのとは違った楽しみがあるという。
番組ではヤマメやイワナが水面を割って、渋谷が流すフライに食いつく臨場感溢れる映像を多数収録。釣り上げられた渓流魚たちのいきいきとした輝きも見どころの一つ。コロナ禍で誰もが鬱々としているいま、緑豊かな渓流のフィッシングはひときわ魅力的に映る。

PROFILE

1971年生まれ。釣りを中心にした生活をするため、家業の漆塗りを継ぎ、両親・妻・長男とともに暮らす。テレビや雑誌といったメディアへの出演、フライロッドの製造・販売、東北地方でのガイドを仕事にしていて、見つけた魚をほぼ百発百中で釣る技術が際立つ。

STAFF
演出:畠山真弘
構成:田代裕・重乃康紀
ナレーター:窪田等
撮影:関照男・横手友昭・滝大輔
音効:井田栄司
編集:加藤英人
制作協力:放送映画
プロデューサー:中村卓也

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