BACK NUMBER過去の放送

2021年03月21日(日) 放送分

磯村勇斗俳優
Vol.1146

朝ドラから極悪ヤンキーまで…
変幻自在に役を生きる28歳の覚悟

朝ドラヒロインの爽やかな恋人、ケンカとなれば手段を選ばないヤンキー、彼氏を振り回す同性愛者、既婚の上司に全裸で愛を叫ぶイケメン社員...強烈な個性を演じきる力には定評がある。
磯村勇斗は今、次世代を期待される俳優として存在感を放つ28歳。いわゆる"若手イケメン俳優"らしからぬ、地道で泥臭い人生を選んできた。
俳優を志したのは中学生の時。上京は親の猛反対を受けて断念し、高校2年で地元劇団の門を叩いた。大半が高齢だった団員の中で、磯村は芝居の基礎、そして演じる喜びを学ぶ。大学進学を機に上京し、アルバイトをしながら小劇場の舞台に出演する毎日を送っていた。
台本を現場に一切持ち込まないのも、役に合わせて髪型を徹底的に作り込むのも「俳優なら当たり前」と一蹴する磯村のストイックさは、そんな日々の賜物だろう。
2015年に仮面ライダーシリーズで念願のレギュラー出演をつかんでから6年、磯村には次々と作品のオファーが舞い込んでいた。取材を初めて間もない今年1月には、ドラマと映画で4本の作品を並行して撮影。連日違う役として現場に立ち続ける日々で、磯村の中に感じたことのない葛藤が芽生え始めていた。
「自分は何のために俳優をやっているのか...」
作品が重なり全ての役に100%で向き合えない苛立ち、噛みしめる間も無く自分の中を次々と作品が通り過ぎていく不安。
「このままでは俳優として腐ってしまう」「自分は俳優に向いていない」
剥き出しの感情をカメラに語る姿は、完璧を求める性格が故に理想と現実のギャップに苦しんでいた。
今月、磯村は故郷の静岡・沼津にいた。訪れたのは俳優を夢見るきっかけとなった自主制作映画のロケ地、そして劇団で初めて立った思い出の舞台。数年ぶりに手にした当時の台本には、狂気すら感じる彼の情熱が刻まれていた。
進むべき道筋を見失いかけていた俳優が、悩みもがいた末に新たにした覚悟とは-。

PROFILE

1992年 、静岡県沼津市出身。
中学生の時に脚本、監督、主演をつとめた自主制作映画をきっかけに俳優を志す。
高校生の時に地元の劇団「沼津演劇研究所」に入る。
大学進学を機に上京。演劇を専攻するも中退し、俳優の道に専念する。
2015年、「仮面ライダーゴースト」で初めてのレギュラー出演。
2017年、 NHK連続テレビ小説「ひよっこ」でヒロイン・みね子の恋人役を演じる。
趣味はサウナ、ゾンビ映画鑑賞。

STAFF
演出:高木 宏
構成:田代裕・重乃康紀
ナレーター:窪田等
撮影:高橋秀典・松浦祥子
音効:中嶋尊史
編集:中嶋辰郎
制作協力:TRIPLE LANES
プロデューサー:中村卓也

このサイトをシェアする