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2020年01月12日(日) 放送分

芝野虎丸囲碁棋士
Vol.1085

史上初の偉業を連発する若き囲碁棋士 
その素顔と強さの秘密に迫る

去年10月、まだ19歳の少年が「名人」のタイトルを奪取し、囲碁界が騒然となった。
芝野虎丸。AIを駆使し実力の向上をはかる"AI世代"と呼ばれる囲碁の新世代の筆頭だ。
囲碁の7大タイトルのうち、名人は上から2番目。そんな格式高いタイトルを10代で獲得し、最年少記録を樹立。さらに、続く7大タイトルの王座戦では、タイトル奪取を賭け、一昨年、国民栄誉賞を獲得し、今の日本囲碁界でも最強と言われる井山裕太と激突。名前にある「虎」のように眼光鋭く、盤上では常に一進一退の攻防を繰り広げた。そして、11月29日。最強と言われる井山祐太を3-1で下し、2つ目のタイトル「王座」を獲得。20歳を迎えた11月に2冠目を達成し、またしても最年少記録を樹立した。
しかし、一度対局から離れると鋭い眼差しとオーラは消え、優しい青年の表情へと一変する。自分のことを「引きこもり」と言うが、自宅では携帯にも触れず、ゲームなどもせずに、ひたすらAIと囲碁を打つ。取材中、今後の目標を聞くと「囲碁とは別にやりたいことが見つかれば、明日にでも囲碁は辞めてもいい」と答えた。これが新世代の特色なのかもしれない。
番組では「名人」獲得を機にメディアの注目を集めるようになった彼の日々を取材。そして2冠目を達成し、最年少記録を樹立した王座戦の舞台裏や、彼の強さの秘密、そして勝負師の顔とは違う、20歳の青年の素朴なプライベートの姿にも密着する。

PROFILE

平成11年(1999年)11月9日生。神奈川県出身。4人兄妹の次男。
囲碁を始めたきっかけは、父が与えた囲碁のゲームだったが、先に囲碁に夢中になったのは、兄の龍之介。虎丸は兄について行っただけであった。兄と共に囲碁の道場に通っていたものの、プロになるつもりはなかった。本人曰く「囲碁よりも学校の方が楽しかったですし、囲碁のプロになりたいと思ったこともなかった。院生(棋士養成機関での修業の身)の頃も、大変申し訳ないですけど…プロになりたいというより、ただ負けるのが嫌だと思っていただけです」しかし、気持ちとは裏腹に実力は上がり、中学を卒業すると、進学はせずに囲碁のプロの道を選び、今に至る。
平成26年夏季入段(平成27年度採用)。27年二段、28年三段、29年七段。令和元年八段、同年九段。芝野龍之介二段は実兄。

STAFF
演出:板倉弘明
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:中村朋治
音効:早船麻季
編集:新谷拓治
制作協力:東北新社
プロデューサー:中村卓也・清野拓也

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