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2019年12月29日(日) 放送分

福田由香里海上保安庁ヘリコプターパイロット
Vol.1083

「日本の海は私たちが守る」 
海上保安庁最大のヘリの初女性機長を追う

去年12月、海上保安庁が所有する中で最大のヘリコプター、スーパーピューマ225の機長に初めて女性が就任した。福田由香里、その人だ。
小さいヘリより大きいヘリの方が慣性が大きくなる分、操縦は難しい。
福田はそんな大きなヘリを、両手両足をミリ単位で動かし、自在に操る。
ヘリの操縦は福田一人では決してできない。操縦する機長の福田からは見えない死角が多いため、同乗している飛行クルーと連携しながらヘリをコントロールしている。
海難救助の要請があれば、特殊救難隊、いわゆる「海猿」をヘリに乗せ、飛行クルーと共に現場へ急行し、救難活動を行う。ヘリから降りて要救助者の元に行き確保するのは特殊救難隊の任務だが、福田ら飛行クルーはその特殊救難隊を現場に運び、要救助者を吊り上げ、帰還する、というのが任務だ。
特殊救難隊をヘリから海上へ降ろす際に気をつけなければならないのが、「ダウンウォッシュ」だ。ヘリのプロペラから発生する、海への叩きつける風「ダウンウォッシュ」を要救助者に当てないようにヘリをコントロールしなければならない。もし当たってしまえば要救助者が溺れてしまう危険があるからだ。
また、操縦で最も難しいのが一点に止まる「ホバリング」だ。エンジンは出力最大、空中に止まっているため風の影響を受けやすく、ヘリが最も不安定になってしまう。福田はこれまで、持ち前の繊細な操縦で数多くの要救助者を助けてきた。
だが福田は満足していない。本人曰く「100点満点のフライトはない。」
福田の所属する第三管区海上保安本部羽田航空基地の守備範囲は、東は茨城県、西は静岡県、南は小笠原諸島までの海上と広大だ。そんな広範囲の海上で、波間にいる要救助者をいち早く見つけ救助する。早く助けなければ低体温症の危険もあり、命に関わる。そんな一刻を争う時間との戦いの中、福田は冷静に操縦を続ける。
番組では、機長としてクルー全員の安全を確保しつつ、要救助者を助ける。そんな海難救助の最前線で活躍する福田の姿に密着する。

PROFILE

1982年9月17日生まれ、石川県金沢市出身。
海上保安庁入庁以来、鹿児島、仙台、愛知、新潟、羽田と日本各地で活躍してきた。
2018年4月から羽田航空基地勤務。2018年12月、海上保安庁最大のヘリコプター、スーパーピューマ225の機長に就任。

STAFF
演出:小原圭一郎
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:倉本圭太
音効:早船麻季
編集:山村昌樹
制作協力:ビデオユニテ
プロデューサー:中村卓也・天野衛

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