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倉永美沙バレエダンサーVol.1082
“はじまりのクリスマス”、アメリカの超名門バレエ団で私は輝く
世界の舞台で踊る日本人バレエダンサーの中に、今年、大きな転機を迎えたプリンシパルがいる。倉永美沙は、欧米では特に小柄な156cmという身長ながら、16年間名門のボストン・バレエ団に在籍し、プリンシパル(最高位ダンサー)のトップに上り詰めた。バレエ界のレジェンド、イタリアのロベルト・ボッレにも愛され、彼のツアーでも客演。2017年には、バレエ界のアカデミー賞と言われるブノワ賞にもノミネートされている。
そんな倉永が今年、アメリカ最古の超名門サンフランシスコ・バレエ団に移籍し、バレエ界の話題となった。実は、倉永は、18年前に一度サンフランシスコ・バレエ団に在籍し、苦渋の時を過ごしたことがある。17歳の時、ローザンヌ国際バレエ・コンクールでプロ研修賞を受け、サンフランシスコへ。「アメリカのバレエ・スタイルに戸惑っている内に終わってしまった・・・」と、正式契約を勝ち取れなかった場所なのだ。
「全てを投げ打つ覚悟でここに来た」と言う倉永。新しいシーズンは12月、クリスマスシーズンの始まりを告げる『くるみ割り人形』から幕を開ける。そこで倉永を待っていたのは、エースと言われる気鋭のダンサーだった。イタリアのスカラ座からきたイタリア人プリンシパル、アンジェロ・グレコ。モダンな舞台装置や大胆な演出でも知られるサンフランシスコ・バレエ団で、倉永は、どんな姿を見せるのか・・・。
番組では、「世界の人にバレエの魅力をシェアしたい」と向かったメキシコでの客演公演や、全幕もの『ロミオとジュリエット』のデンマーク公演。そして、サンフランシスコでの初の舞台『くるみ割り人形』など、身も心もバレエに捧げる倉永の第二のバレエ人生のスタートに密着する。
PROFILE
大阪府出身。7歳からバレエを始め、多くのコンクールで金賞に輝き、天才少女とも呼ばれる。17歳の時、第29回ローザンヌ国際バレエ・コンクールでプロ研修賞を受賞し、サンフランシスコ・バレエ団の研修生に。その後、NYの NYCB(ニューヨーク・シティ・バレエ団)の附属のスクールで学び直し、19歳の時、ボストン・バレエ団のオーディションに合格。プロの道を歩み始める。
2001年、第9回モスクワ国際バレエコンクール金賞(女性ジュニア部門日本人初)。
2006年、ジャクソン国際バレエコンクール金賞(女性シニア部門日本人初)。
2009年、バレエダンサーの最高位であるプリンシパルへ昇格(ボストン・バレエ団)。
2017年、バレエ界のアカデミー賞と言われるブノワ賞にノミネート(「海賊」と「オネーギン」)。
2019年、プリンシパルとしてサンフランシスコ・バレエ団と契約。
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
音効:早船麻季
制作協力:オルタスジャパン
プロデューサー:中村卓也・重乃康紀
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