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Vol.1072
2019年10月13日(日) 放送分

奥土盛久[ 農家・パン職人 ]

「パンも人の人生も一緒」
北海道の熱き開拓者が作る、至高の石窯パン。

最近、パンに熱い視線が注がれている。
パンのフードフェスティバルには多くの人が訪れ、高級食パンはブームともなっている。
北海道羊蹄山のふもとで、ライ麦・小麦を育て、手造りの石窯で、香ばしくて美味しいと評判のライ麦パンをはじめ20種類のパンを焼いて販売しているのは、奥土盛久(おくつちもりひさ)69歳。
彼が作るパンの原料となる小麦・バター・牛乳・水・砂糖・酵母はすべて北海道産を使用している。ジャガイモ、かぼちゃ、トウモロコシ、黒豆も全て自分の畑で作っている。      
出来るだけ低農薬で、よく熟させることで、野菜の本当の味を味わえるようにして、パン生地に練り込む。
奥土は開拓者だ。農業をするため26歳で神戸から北海道に入植、農地を開墾、作物を育て、パンを作って来た。
奥土のパンは、子供の頃から食べていたライ麦パンと、大学卒業後に農業研修で訪れたドイツの地方都市で食べたパンの味がベースになっている。
「ドイツの地方都市にあったパン屋さんの、皮の黒い、ぽこんと割れるパンが本当においしくて。その味が忘れられなくてね」
その味を再現するため、何年も試行錯誤した末に、やっと納得のいくパンが出来上がった。さらにアレンジを加え、今、自身が食べたいと思うパンになったと語る。
その作り方は、極めて丁寧だ。
全てライ麦やぶどうなどから起こした天然酵母を使い、半年間一つずつレンガを積んで造った石窯で、薪をたいて焼く。
生地は12時間ゆっくり発酵させて風味を出し、石窯を使うことで、表面が乾燥することなく短時間で生地の中心まで熱が入り、外側はしっかり焼け、中はしっとり、もっちりの独特の食感になる。
「噛むほどに味が出て、それぞれに味わいが違うのは、パンも人の人生も一緒ですわ」
焼き上がったパンは、札幌市内のデパートやニセコの道の駅、工房の横にある店頭で販売される。
番組では、秋から冬に変わるこの季節、奥土の繁忙期に密着。畑ではかぼちゃの収穫、ジャガイモの仕分け、ライ麦の播種、薪割りに追われる。    すべて自分の力で切り開いて来た開拓者・農家・パン職人の奥土盛久が、入植時代に励まされたもの、そして、パン作りの信念とは―。

PROFILE

1950年8月27日神戸市生まれ。酪農学園大学(北海道江別市)卒。
大学卒業後ドイツに農業研修、ライ麦パンと出会う。その後3年かけて東欧をまわる。
小学生の頃テレビで見た牛飼いに憧れ、26歳の頃牛飼いを生業とすることを目指し、占冠(しむかっぷ)村に入植。
その後ニセコ町に移り住み、20年前奥土農場石窯パン工房を開く。
子供4人を育て、現在妻の敦子さん、三男の雄己さん、長女の雅代さんの家族4人で農場とパン工房を切り盛りし、365日休み無し。

STAFF
演出:石原徹
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:池畑道佐・水上智重子
音効:杉本栄輔
制作協力:テレビマンユニオン
プロデューサー:中村卓也・高田好子

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