BACK NUMBER過去の放送

2019年10月06日(日) 放送分

内藤いづみ在宅ホスピス医
Vol.1071

「いのち」に寄り添う医師。
自身が模索する“究極の在宅医療”とは―。

超高齢化社会の日本。厚生労働省の2014年の人口動態統計によると、病院で亡くなる人が70%以上もいる中、政府は2012年にプロジェクトチームを設置し、在宅医療を推進し始めた。いずれは向き合うことになる、在宅での「看取り」とは―。
山梨県・甲府に小さなクリニックを構える、医師・内藤いづみ。午前中の外来を終えると白衣を脱ぎ、往診に出かける。待っているのは、最期の時を自宅で過ごしている患者達だ。
内藤は勤務医時代、先端医療優先で、患者の意志にかかわらず、無機質な病院で人生の最期を迎える医療の在り方に疑問を感じていた。その時に出会った末期がんの若い女性患者との出会いから、ホスピス医療に興味を持つようになる。そんな中、イギリス人の夫の転勤によって移住したホスピス医療の本場イギリスで、自分が目指していた終末期医療を見つける。医療に管理されるのではなく、最後まで自分らしく生き抜けるように、心と体の痛みを取り除きながら、患者だけでなくその家族も支えるものだった。帰国後、日本でまだホスピス医療の概念がない時から、24時間休むことなく「命に向き合う医療」のために、その人の病状や環境、家族や周囲の人間関係までも配慮した、究極の"その人のための医療"を実践。
患者が自分らしく人生を精一杯生き切る"お手伝い"をしていると言う内藤は、自宅で人生を終える終末期医療の在り方を今も模索し、もっとホスピス医療を知ってもらいたいと全国で講演活動をしている。
「そこには希望があり、笑顔があります」という内藤。死の現場で、なぜ笑顔があるのか?今回は「内藤先生が大好き」と言う94歳、老衰で人生の幕を閉じようとしている女性とその家族を通して、内藤が実践する「在宅ホスピス」の現場に密着。内藤の熱い思いに迫る。

PROFILE

1956年、山梨県六郷町(現・市川三郷町)生まれ。現在63歳。
1981年3月 福島県立医科大学卒業、三井記念病院で研修医として勤務
1983年、東京女子医大病院・第一内科勤務。1986年、イギリス人の夫と共にイギリスへ移住。プリンス・オブ・ウェールズ・ホスピスで研修を受ける
1991年に帰国。湯村温泉病院に勤務。
1995年、甲府にふじ内科クリニックを開業、院長として在宅ホスピスケアを実践するとともに、全国で終末期医療に関する講演活動を展開、執筆活動も開始。
NPO日本ホスピス・在宅ケア研究会元理事、ホスピス在宅ケア研究会やまなし代表
内閣府はばたく女性人材バンクメンバー登録、やまなし大使任命、2017年度から大正大学客員教授。
趣味は読書、音楽鑑賞。

STAFF
演出:原義史
構成:田代裕
ナレーター:窪田等
撮影:横山友昭・加藤実智雄
音効:増子彰
編集:水野純
制作協力:メディア・メトル
プロデューサー:中村卓也・松井秀裕

このサイトをシェアする